第四十二問(民事執行法)

【問題 42】

民事執行法に規定する差押禁止動産及び差押禁止債権に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。なお、本問における動産及び債権について、執行裁判所により差押禁止動産及び差押禁止債権の範囲の変更はなされていないものとする。

① 債務者の実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないものは、差し押さえることができない。

② 債務者が会社から受ける給料(毎月25 日払い、月額28万円)に係る債権は、その支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する部分に限り差し押さえることができる。

③ 債務者の発明又は著作に係る物で、まだ公表していないものは、差し押さえることができない。

④ 債務者の建物等について、災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械等は、差し押さえることができない。

 

 

【正解】   ②

 

 

①(○)実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないものは差し押さえることができない(破産法131条1項7号)。このほか、生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具、債務者等の一月間の生活に必要な食料及び燃料等も差押えが禁止されている。

②(×)給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権 の4分の3に相当する部分は、差し押さえてはならない(民事執行法152条1項2号)。

③(○)発明又は著作に係る物で、まだ公表していないものは、差し押さえてはならない(民事執行法131条1項12号)。

④(○)建物その他の工作物について、災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具、避難器具その他の備品は、差し押さえてはならない(民事執行法131条1項14号)。

 

 

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2017年02月16日