第三十二問(金銭消費貸借契約)

【問題 32】

Aは、Bとの間で金銭消費貸借契約を締結しBに金銭を貸し付けた。この場合に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① AとBは、本件金銭消費貸借契約において、返済期限を貸付日から1か月後と定めていた。この場合、Bがその返済期限を過ぎても借入金の返済をしないときは、Bはその返済期限が到来した時から遅滞の責任を負う。

② AとBは、本件金銭消費貸借契約において、返済期限を定めていなかった。この場合、Bが、Aから相当の期間を定めて貸付金の返済を求められたにもかかわらず、当該期間を経過しても借入金を返済しなかったとしても、Bは遅滞の責任を負うことはない。

③ AとBは、本件金銭消費貸借契約において、債務の履行について不確定期限を定めていた。この場合、その期限が到来しBがその返済期限を過ぎても借入金の返済をしないときは、たとえBがその期限の到来を知らなかったとしても、Bはその返済期限が到来した時から遅滞の責任を負う。

④ AとBは、本件金銭消費貸借契約において、貸付けに係る利率及び遅延損害金の額を定めていなかった。この場合、Bが約定の返済期限を過ぎても借入金の返済をしないときは、AはBに対し、返済期限の翌日から、元本に対する割合を年14.6%とて計算した額の損害賠償金を請求することができる。

 

 

【正解】   ①

 

 

①(○)債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う(民法412条1項)。

②(×)当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる(民法591条1項)。

③(×)債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来したことを知った時から遅滞の責任を負う(民法412条2項)。

④(×)金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による(民法419条1項)。

 

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2017年02月16日