第二十一問(公的給付)

【問題 21】

貸金業法第20条の2第1項に規定する公的給付(以下、本問において「公的給付」という)に係る預金通帳等の保管等の制限に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 公的給付とは、法令の規定に基づき国等がその給付に要する費用等の全部又は一部を負担することとされている給付であって、法令の規定により、差し押さえることは禁止されているが、第三者に譲り渡し、又は担保に供することができるものをいう。

② 貸金業者は、貸付けの契約について、公的給付がその受給権者である債務者の預金又は貯金の口座(以下、本問において「預金口座等」という)に払い込まれた場合に、当該預金口座等に係る資金(以下、本問において「預金等」という)から当該貸付けの契約に基づく債権の弁済を受けることを目的として、預金通帳等の引渡しもしくは提供を求めてはならない。

③ 貸金業者は、貸付けの契約について、公的給付がその受給権者である債務者の親族の預金口座等に払い込まれた場合に、その預金等から当該貸付契約に基づく債権の弁済を受けることを目的として、当該債務者の親族に預金等の払出しとその払い出した金銭による当該債権の弁済をその預金等の口座のある金融機関に委託して行うことを求めてはならない。

④ 公的給付に係る預金通帳等の保管等の制限に関する規制は、貸金業者だけでなく貸金業法第3条第1項の登録を受けずに貸金業を営む者にも適用される。

 

 

【正解】   ①

 

①(×)公的給付とは、法令の規定に基づき国又は地方公共団体がその給付に要する費用又はその給付の事業に関する事務に要する費用の全部又は一部を負担し、又は補助することとされている給付(給与その他対価の性質を有するものを除く。)であつて、法令の規定により譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができないこととされているものをいう(貸金業法20条の2第1項)。

②(○)貸金業を営む者は、貸付けの契約について、公的給付がその受給権者である債務者等又は債務者等の親族その他の者の預金又は貯金の口座に払い込まれた場合に当該預金又は貯金の口座に係る資金から当該貸付けの契約に基づく債権の弁済を受けることを目的として、預金通帳等の引渡しもしくは提供を求めてはならない。

③(○)貸金業を営む者は、貸付けの契約について、公的給付がその受給権者である債務者等又は債務者等の親族その他の者の預金又は貯金の口座に払い込まれた場合に当該預金又は貯金の口座に係る資金から当該貸付けの契約に基づく債権の弁済を受けることを目的として、当該預金又は貯金の払出しとその払い出した金銭による当該債権の弁済をその預金又は貯金の口座のある金融機関に委託して行うことを求める行為

④(○)公的給付に係る預金通帳等の保管等の制限に関する規制は、「貸金業を営む者」に対する規制であるため、登録を受けていない者に対しても適用される。

 

 

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2017年02月16日