第三十六問(無効・取消)

【問題 36】

無効及び取消しに関する次の①〜④の記述のうち、民法上、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない。ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなされる。

② 成年被後見人は、行為能力者となった後であっても、成年後見人であった者の同意を得なければ、成年被後見人であったときに行った法律行為を追認することができない。

③ 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなされる。

④ 民法第124 条(追認の要件)の規定により追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について履行の請求があったときは、追認をしたものとみなされる。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。

 

 

【正解】   ②

 

 

①(〇)無効な行為は追認によっても、その効力を生じない。ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなす(民法119条)。

②(×)成年被後見人は、行為能力者となった後にその行為を了知したときは、その了知をした後でなければ、追認することができない(民法124条2項)。

 (改正後124条)取消すことができる行為の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消し権を有することを知った後にしなければ、その効力を生じない。

 2 次に掲げる場合には、前項の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にすることを要しない。

 一 法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認するとき。

 二 制限行為能力者(成年被後見人を除く)が法定代理人、保佐人又は補助人の同意を得て追認をするとき。

③(〇)取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす(民法121条)。

④(〇)追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について履行の請求があったときは、追認をしたものとみなされる。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない(民法125条1項2号)。

 

 

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2019年11月22日