第三十問(質権・抵当権)

 【問題 30】

質権及び抵当権に関する次の①~④の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを 1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 動産を目的とする質権の設定は、債権者に当該動産を引き渡すことによって、その効力を生ずる。

② 質権者は、質権設定者の承諾を得なければ、質物について、転質をすることができない。

③ 抵当権は、その担保する債権について不履行があったとしても、抵当不動産の果実に及ばない。

④ 抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その全額についてその抵当権を行使することができる。

 

 

【正解】   ①

 

 

①(〇) 質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる(民法344条)。

②(×)質権者は、その権利の存続期間内において、自己の責任で、質物について、転質をすることができる。この場合において、転質をしたことによって生じた損失については、不可抗力によるものであっても、その責任を負う(民法348条)。

③(×)抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ(民法371条)。

④(×)抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。ただし、それ以前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時からその抵当権を行使することを妨げない(民法375条1項)。

 

 

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2022年12月05日