第三問(業務運営)

【問題 3】

業務運営に関する措置に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 貸金業者は、個人である債務者又は保証人に関する情報について、当該情報の漏えい、滅失又はき損の防止を図るために必要かつ適切な措置を講じなければならないが、保証人となろうとする者に関する情報についてはかかる措置を講じる必要はない。

② 貸金業者は、信用情報機関から提供を受けた、個人である資金需要者等の借入金返済能力に関する情報を、当該資金需要者等の返済能力の調査以外の目的のために利用しないことを確保するための措置を講じなければならないが、貸金業者向けの総合的な監督指針では、途上与信を行うために取得した個人信用情報を勧誘に二次利用することは返済能力の調査以外の目的使用には該当しないとされている。

③ 貸金業者は、その取り扱う個人である資金需要者等に関する人種、信条、門地、本籍地、保健医療又は犯罪経歴についての情報その他の特別の非公開情報(その業務上知り得た公表されていない情報)について、一切利用しないことを確保するための措置を講じなければならない。

④ 貸金業者は、貸金業の業務を第三者に委託する場合には、当該業務の内容に応じ、受託者が行う当該業務に係る資金需要者等からの苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な措置を講じなければならない。

 

 

【正解】   ④

 

①(×)貸金業者は、その取り扱う個人である資金需要者等に関する情報の安全管理、従業者の監督及び当該情報の取扱いを委託する場合には、その委託先の監督について、当該情報の漏えい、滅失又はき損の防止を図るために必要かつ適切な措置を講じなければならない(貸金業法施行規則10条の2)。

②(×)途上与信を行うために取得した信用情報を勧誘に二次利用した場合や信用情報を内部データベースに取り込み当該内部データベースを勧誘に利用した場合等(債権の保全を目的とした利用を含む。)であっても、返済能力の調査以外の目的による使用に該当することに留意する必要がある(監督指針Ⅱ-2-14)。

③(×)貸金業者は、その取り扱う個人である資金需要者等に関する人種、信条、門地、本籍地、保健医療又は犯罪経歴についての情報その他の特別の非公開情報(その業務上知り得た公表されていない情報をいう。)を、適切な業務の運営の確保その他必要と認められる目的以外の目的のために利用しないことを確保するための措置を講じなければならない(貸金業法施行規則10条の4)。

④(○)貸金業者は、貸金業の業務を第三者に委託する場合には、当該業務の内容に応じ、次に掲げる措置を講じなければならない(貸金業法施行規則10条の5)。

 1) 当該業務を的確、公正かつ効率的に遂行することができる能力を有する者に委託するための措置

 2) 当該業務の委託を受けた者(以下この条において「受託者」という。)における当該業務の実施状況を、定期的に又は必要に応じて確認すること等により、受託者が当該業務を的確に遂行しているかを検証し、必要に応じ改善させる等、受託者に対する必要かつ適切な監督等を行うための措置

 3) 受託者が行う当該業務に係る資金需要者等からの苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な措置

 4)受託者が当該業務を適切に行うことができない事態が生じた場合には、他の適切な第三者に当該業務を速やかに委託する等、当該業務に係る資金需要者等の保護に支障が生じること等を防止するための措置

 5)貸金業者の業務の健全かつ適切な運営を確保し、当該業務に係る資金需要者等の保護を図るため必要がある場合には、当該業務の委託に係る契約の変更又は解除をする等の必要な措置を講ずるための措置

 

 

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2017年02月21日