第三十八問(相続の放棄)

【問題 38】

貸金業者であるA社は、個人顧客であるBに金銭を貸し付けた。その後、Bは、A社に借入金の一部を返済した後に死亡した。Bには、配偶者であるC並びに子D、子E及び子Fがおり、他に相続人はいない。この場合に関する次のa〜dの記述のうち、その内容が適切なものの組み合わせを①〜④の中から1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

a 民法上、被相続人の配偶者は相続の放棄をすることができないとされているため、Cは、BがA社に負担していた債務を常に相続することとなる。

b Dが相続の放棄をする場合、Dが、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所に相続放棄の申述をしなければ、相続の放棄はその効力を生じない。

c Eは、相続の放棄をした後であっても、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内であれば、これを撤回することができる。

d Fが相続の放棄をした場合、Fは、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされる。

① ab

② ac

③ bd

④ cd

 

 

 

【正解】   ③

 

a(×)相続の放棄に制限はないため、配偶者であっても相続を放棄できる。

b(○)相続人は、自己のために相続の開始があった時から3か月以内に相続について、単純若しくは、限定の承認又は放棄をしなければならない。

c(×)相続の承認及び放棄は、3ヶ月以内であっても、撤回することができない。

d(○)相続を放棄した者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす(民法939条)。

 

 

 第三十九問へ

2017年03月02日