第七問(返済能力の調査)

【問題 7】

株式会社である貸金業者Aは、個人顧客Bとの間で極度額を50万円とする極度方式基本契約(以下、本問において「本件基本契約」という。)を締結した。Aは、Bとの間で本件基本契約以外の貸付けに係る契約を締結していない。この場合において、Aが行う貸金業法第13条に規定する返済能力の調査に関する次のa〜dの記述のうち、その内容が適切なものの組み合わせを①〜④の中から1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。なお、本件基本契約は、貸金業法施行規則第1条の2の3(個人信用情報の対象とならない契約)第2号から第5号までに掲げる契約ではないものとする。

a Aは、Bとの間の合意に基づき、本件基本契約における極度額を80万円に増額しようとする場合、Bの返済能力の調査を行うに際し、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければならない。

b Aは、Bの返済能力は低下していないが、Bと連絡することができないことを理由として、本件基本契約における極度額を一時的に30万円に減額していた場合において、Bと連絡することができたことにより、極度額をその減額の前の50万円まで増額するときは、Bの返済能力の調査を行う必要はない。

c Aは、Bの転職によりその返済能力が低下したことを理由として、本件基本契約における極度額を30万円に減額した場合において、Bの昇給を理由として極度額をその減額の前の50 万円まで増額するときは、Bの返済能力の調査を行う必要はない。

d Aは、Bとの間の合意に基づき、本件基本契約に基づく極度方式貸付けの元本の残高の上限として30 万円を提示していた場合において、その提示額を50万円まで増額するときは、Bの返済能力の調査を行う必要はない。

① ab

② ac

③ bd

④ cd

 

 

 

【正解】   ①

 

 

a(〇)極度方式基本契約の極度額を増額する場合、返済能力の調査を行うに際し、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければならない(貸金業法13条5項、同条2項)。

b(〇)債務者と連絡が取れないことにより、極度額を引き下げた後、連絡が取れたことにより、引下げ前の極度額まで増額する場合には、返済能力の調査は強制されない(貸金業法施行規則10条の19)。

c(×)債務者の返済能力の低下により、極度額を減額した後、返済能力が回復したため極度額を増額する場合には、返済能力の調査を行わなければならない(貸金業法施行規則10条の19)。

d(×)合意による極度額の増額は、返済能力の調査を行わなければならない(貸金業法13条5項)。

 

 

 

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2018年11月19日