第五問(貸金業務取扱主任者)

【問題 5】

貸金業法第12 条の3(貸金業務取扱主任者の設置)に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 貸金業者は、営業所又は事務所(自動契約受付機もしくは現金自動設備のみにより貸付けに関する業務を行う営業所もしくは事務所又は代理店を除く。以下、本問において「営業所等」という。)ごとに、貸金業の業務に従事する者50 人に1人の割合で貸金業務取扱主任者を置かなければならないが、当該貸金業の業務に従事する者には、人事、労務、経理又はシステム管理等その業務遂行の影響が、通常、資金需要者等に及ばない業務に従事する者が含まれる。

② 貸金業者向けの総合的な監督指針によれば、貸金業法施行規則第10 条の7(貸金業務取扱主任者の設置)第1号の「常時勤務する者」とは、営業時間内に営業所等に常時駐在する必要はなく、2つの営業所等が同じ建物内にあり、貸金業務取扱主任者が常時往来できると認められる実態があれば、2つの営業所等を兼務する貸金業務取扱主任者を置くことができるとされている。

③ 貸金業者は、貸金業務取扱主任者が貸金業法第12 条の3第1項の助言又は指導に係る職務を適切に遂行できるよう必要な配慮を行わなければならず、貸金業の業務に従事する使用人その他の従業者は、貸金業務取扱主任者が行う同項の助言を尊重するとともに、同項の指導に従わなければならない。

④ 貸金業者は、営業所等における唯一の貸金業務取扱主任者が定年退職により当該営業所等に常時勤務する者でなくなった場合において、その後も当該営業所等で貸金業の業務を継続するときは、当該貸金業務取扱主任者が常時勤務する者でなくなった日から2週間以内に、新たに貸金業務取扱主任者を当該営業所等に置かなければならない。

 

 

【正解】  ③ 

 

 

①(×)従業者が従業者名簿の記載対象となるか否かについては、個別具体的な事実関係に即して判断することになるが、勧誘や契約の締結を含む営業、審査、債権の管理・回収及びこれらに付随する事務に従事する者であれば雇用関係・雇用形態を問わず、該当すると考えられる一方、人事、総務、経理、システム管理等その業務遂行の影響が、通常、資金需要者等に及ばない業務に従事する者は、原則として該当しないと考えられる(監督指針Ⅱ-2-9(2)②)。

②(×)施行規則第10条の7第1号の「常時勤務する者」とは、営業時間内に営業所等に常時駐在する必要はないが、単に所属する営業所等が1つに決まっていることだけでは足りず、社会通念に照らし、常時勤務していると認められるだけの実態を必要とする(監督指針Ⅱ-2-9(2)①)。

③(〇)貸金業者は、貸金業務取扱主任者が前項の助言又は指導に係る職務を適切に遂行できるよう必要な配慮を行わなければならず、貸金業の業務に従事する使用人その他の従業者は、貸金業務取扱主任者が行う同項の助言を尊重するとともに、同項の指導に従わなければならない(貸金業法12条の3第2項)。

④(×)貸金業者は、予見し難い事由により、営業所又は事務所における貸金業務取扱主任者の数が第一項の内閣府令で定める数を下回るに至つたときは、二週間以内に、同項の規定に適合させるために必要な措置をとらなければならない(貸金業法12条の3第3項)が、定年退職は「予見し難い事由」に該当しないため、2週間の猶予はない。

 

 

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2020年11月16日