第七問(総量規制)

【問題 7】

次の①〜④の記述のうち、貸金業法第13条の2(過剰貸付け等の禁止)第2項に規定する個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約として貸金業法施行規則第10条の23で定めるものに該当するものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 個人顧客又は当該個人顧客の親族で当該個人顧客と生計を一にする者の健康保険法第115条第1項及び第147 条に規定する高額療養費を支払うために必要な資金の貸付けに係る契約

② 現に事業を営んでいない個人顧客に対する新たな事業を行うために必要な資金の貸付けに係る契約であって、事業計画、収支計画及び資金計画の確認により確実に当該事業の用に供するための資金の貸付けであると認められること、又は、当該個人顧客の事業計画、収支計画及び資金計画に照らし、当該個人顧客の返済能力を超えない貸付けに係る契約であると認められること、いずれかの要件に該当するもの

③ 個人顧客を相手方とする貸付けに係る契約であって、当該個人顧客に係る個人顧客合算額(貸金業法第13 条の2第2項に規定する個人顧客合算額をいう。)と当該個人顧客の配偶者に係る個人顧客合算額を合算した額が、当該個人顧客に係る基準額(同法第13 条の2第2項に規定する当該個人顧客に係る基準額をいう。)と当該個人顧客の配偶者に係る基準額(当該個人顧客の配偶者を当該個人顧客とみなして同法第13条の2第2項の規定を適用した場合における同項に規定する当該個人顧客に係る基準額をいう。)を合算した額を超えないもので、かつ当該貸付けに係る契約を締結することについて当該個人顧客の配偶者の同意があるもの

④ 個人顧客が既に貸金業者以外の者と締結した契約に基づき負担している債務(以下、本問において「既存債務」という。)の弁済に必要な資金の貸付けに係る契約であって、当該貸付けに係る契約の1か月の負担が既存債務に係る1か月の負担を上回るが、当該個人顧客が当該貸付けに係る契約に基づき将来支払うべき返済金額の合計額が既存債務について将来支払うべき返済金額の合計額を上回らないもの

 

 

【正解】   ③

 

「個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約」とは、いわゆる例外貸付であり、貸付の残高は「個人顧客合算額」に算入されるものの、例外的に収入の1/3を超えても許容される契約である。そもそも「個人顧客合算額」に算入されない除外貸付とは別の概念であり、誤りやすいのでしっかりと覚えておきたい。

 

①(×)生計を一にする者の高額医療費を支払うための貸付契約は除外貸付に該当する(貸金業法施行規則10条の21第1項4号イ)。

②(×)事業計画、収支計画及び資金計画の確認により確実に当該事業の用に供するための資金の貸付けであると認められ、かつ当該個人顧客の返済能力を超えない貸付けに係る契約であると認められるものは、例外貸付けに該当する(貸金業法施行規則10条の23第1項4号)。

③(○)個人顧客を相手方とする貸付けに係る契約であつて、当該個人顧客に係る個人顧客合算額と当該個人顧客の配偶者に係る個人顧客合算額を合算した額が、当該個人顧客に係る基準額と当該個人顧客の配偶者に係る基準額を合算した額を超えないものは、例外貸付に該当する(貸金業法施行規則10条の23第1項3号)。

④(×)既存債務の弁済に必要な貸付であって、1か月の負担が既存債務に係る1か月の負担を上回らず、当該個人顧客が当該貸付けに係る契約に基づき将来支払うべき返済金額の合計額が既存債務について将来支払うべき返済金額の合計額を上回らない貸付契約は、例外貸付けに該当する(貸金業法施行規則10条の23第1項1号)。

 

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2016年11月25日