第二十八問(制限行為能力者)

【問題 28】

制限行為能力に関する次の①〜④の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

 

① 被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判を家庭裁判所がする場合、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、民法第13 条(保佐人の同意を要する行為等)第1項に規定する行為の一部に限られる。

② 被保佐人は、元本を領収する行為をするには、その保佐人の同意を得る必要はないが、元本を利用する行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。

③ 未成年者は、単に権利を得る法律行為をする場合であっても、その法定代理人の同意を得なければならないが、義務を免れる法律行為をするには、その法定代理人の同意を得る必要はない。

④ 制限行為能力者による法律行為の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者となった後、その者に対し、2週間以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を取り消したものとみなされる。

 

 

 

【正解】   1

 

1(○)被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為についてはこの限りでない(民法13条1項)。

 ① 元本を領収し、又は利用すること

 ② 借財又は保証をすること。

 ③ 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること

 ④ 訴訟行為をすること

 ⑤ 贈与、和解又は仲裁合意をすること

 ⑥ 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること

 ⑦ 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること

 ⑧ 新築、改築、増築又は大修繕をすること

 ⑨ 602条(短期賃貸借)に定める期間を超える賃貸借をすること

2(×)上記①参照

3(×)未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない(民法5条1項)。

4(×)制限行為能力者の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者となった後、その者に対し、一カ月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうか確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす(民法20条1項)。

 

 

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2016年04月07日