第七問(極度方式基本契約)

【問題 7】

極度方式基本契約に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。なお、本問における極度方式基本契約は、手形の割引の契約、売渡担保の契約及び金銭の貸借の媒介の契約ではないものとする。

① 貸金業者は、極度方式基本契約を締結しようとする場合、内閣府令で定めるところにより、当該契約の相手方となろうとする者に交付すべき貸金業法第16条の2第2項に規定する書面(以下、本問において「極度方式基本契約における契約締結前の書面」という。)に、返済の方法及び返済を受ける場所等を記載しなければならない。

② 貸金業者は、極度方式基本契約を締結しようとする場合、内閣府令で定めるところにより、当該契約の相手方となろうとする者に交付すべき極度方式基本契約における契約締結前の書面に、当該極度方式基本契約に関し貸金業者が受け取る書面の内容等を記載しなければならない。

③ 貸金業者は、顧客との間で極度方式基本契約を締結した後、当該顧客との合意に基づき、利息の計算の方法を変更した。この場合、当該貸金業者は、利息の計算の方法の変更が当該顧客の利益となる変更であるか否かにかかわらず、変更後の利息の計算の方法を記載した貸金業法第17条第2項に規定する書面(以下、本問において「極度方式基本契約における契約締結時の書面」という。)を当該顧客に再交付しなければならない。

④ 貸金業者は、極度方式基本契約の相手方に対して、貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額(以下、本問において「貸付限度額」という。)を提示している場合において、当該相手方との合意により、貸付限度額を引き下げた後に、引き下げる前の貸付限度額を上回らない額まで貸付限度額を引き上げた。この場合、当該貸金業者は、引上げ後の貸付限度額を記載した極度方式基本契約における契約締結時の書面を当該相手方に再交付しなければならない。

 

 

 

 

 

【正解】   1

 

1(○)返済の方法及び返済を受ける場所等は、「極度方式基本契約における契約締結前の書面」に記載しなければならない事項である。

2(×)「極度方式基本契約に関し貸金業者が受け取る書面の内容等」は、極度方式基本契約における契約締結前の書面における記載事項ではない。

3(×)利息の計算方法の変更は、顧客の利益になる場合には、「極度方式基本契約における契約締結時の書面」を再交付しなくてもよい。

4(×)貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示している場合において、当該相手方との合意により、貸付限度額を引き下げた後に、引き下げる前の貸付限度額を上回らない額まで貸付限度額を引き上げた。この場合、引上げ後の貸付限度額を記載した極度方式基本契約における契約締結時の書面を当該相手方に再交付しなくてもよい。

 

※「極度方式基本契約における契約締結前の書面」の記載事項

一  貸金業者の商号、名称又は氏名及び住所

二  極度額(貸金業者が極度方式基本契約の相手方となろうとする者に対し貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示する場合にあつては、当該下回る額及び極度額)

三  貸付けの利率

四  返済の方式

五  賠償額の予定に関する定めがあるときは、その内容

六  前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項

(内閣府令で定める事項)

イ 貸金業者の登録番号

ロ 債務者が負担すべき元本及び利息以外の金銭に関する事項

ハ 契約の相手方の借入金返済能力に関する情報を信用情報に関する機関に登録するときは、その旨及びその内容

ニ 利息の計算の方法

ホ 返済の方法及び返済を受ける場所

ヘ 各回の返済期日及び返済金額の設定の方式

ト 契約上、返済期日前の返済ができるか否か及び返済ができるときは、その内容

チ 期限の利益の喪失の定めがあるときは、その旨及びその内容

リ 貸金業者が、極度方式基本契約に定める極度額(貸金業者が極度方式基本契約の相手方に対し貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示する場合にあつては、当該下回る額)を一回貸し付けることその他の必要な仮定を置き、当該仮定に基づいた将来支払う返済金額の合計額、返済期間及び返済回数並びに当該仮定

ヌ 次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定める事項

(1) 指定紛争解決機関が存在する場合 貸金業者が法第十二条の二の二第一項第一号 に定める手続実施基本契約を締結する措置を講ずる当該手続実施基本契約の相手方である指定紛争解決機関の商号又は名称

(2) 指定紛争解決機関が存在しない場合 貸金業者の法第十二条の二の二第一項第二号 に定める苦情処理措置及び紛争解決措置の内容

 

 

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2016年04月17日