帰りたかったごご本尊
保土ヶ谷区川島町のりょうけん坂の途中にひっそりと建つ松月庵は元禄7(1694)年に尼僧により建立された。阿弥陀坐像が本尊として安置され、地域の村人に親しまれてきましたが、明治元(1868)年に住職が亡くなると無住の庵となり、荒れ放題に。そして阿弥陀坐像は本寺の隋流院に移されました。
明治の中頃、仏向村からキヨという娘が川島村の三村家に嫁いで来ました。キヨは主を失った松月庵を訪れ、毎日のように草刈りや掃除の汗を流しました。
昭和初頭、川島村では「流行り病」により多くの人が命を落としていましたが、キヨは毎日、松月庵に立つお地蔵様に「どうか村人をお守りください」と祈願。そんな生活をしていたある晩、キヨの夢枕に阿弥陀様が立ち、こう語りかけました。「私は松月庵に帰りたい」。
キヨからこの話を聞いた村の若い衆が中心となり、荒れ果てた庵の再建に着手。本尊を村に迎えると間もなく、多くの村人を苦しめた流行り病は収まったという民話があります。
私も去る5月にコロナの終息をお祈りして来ました。
この民話を保土ヶ谷区の紙芝居グループが新作として取り上げているのでご紹介します。
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