しまなみ街道サイクリング

 私が一番希望していたのはしまなみ街道のサイクリングでした。この日は10月頃の気温となり絶好のサイクリング日よりになりました。でも千光寺で思わぬ時間を使ったため急ぎ渡船乗り場に行きました。この尾道水道を越える渡船の乗船も計画の一部です。



 自転車ごと乗り込み110円を払います。すぐ出港した船は尾道水道の思ったより速い流れに苦労しながら5分ほどで向島の船着き場に到着しました。
 すぐに道路に書かれた今治方面行きの青線に沿って走り始めます。電動自転車は快調で初めて使用しましたが千光寺の登りも本当に楽でした。町を抜けると海沿いの道となりサイクリングロードも設置され安全に乗ることができました。途中のどが渇いたのでミカンジュースを飲みましたが産地なのでとても新鮮で美味しかったです。



 いよいよ向島と因島間を結ぶ因島大橋が近づいてきました。橋に上がるまでも坂道ですが楽に登ることができました。そして念願のしまなみ海道因島大橋に入りました。



 サイクリングロードは高速道路の下に設置されていて、網で囲われた中を走ります。外国のサイクリストも多数いてカメラで撮ったりお互いに手を振ったりしてこの走りを楽しみました。10分ほどで橋を抜け今日の目的地、因島しまなみビーチへ到着しました。



 ビーチからは向島や尾道方面が見え、快晴の美しい風景の中で休憩することができました。その後ここでゆっくり昼食を食べ、今回のサイクリングの目的を達成しました。
 帰りはまだ時間があったのですが、自分の体力も心配なため少し早めに出発しました。帰りの道も順調で今度は渡船桟橋を変更して違う船で尾道に戻りました。とても良いサイクリングでしたがただひとつ、お尻が痛いのが難点でした。(^^;)

  尾道のグルメ
 
 電動自転車を返却してチェックインまでまだ時間があったのでお茶を飲みに本町通りに向かいました。そこにレトロな感じの飲食店「あなごのねどこ 喫茶部あくび」という店がありました。古い椅子に腰掛けて紅茶ラテを注文すると、可愛い顔が描かれたラテが現れました。飲むのが少しためらわれました。



 夜せっかく尾道に来たのだからと夕食に尾道お好み焼きや尾道ラーメンを食べました。これも計画の内でしたが、ほとんどのことが実施できたことで本当に満足しました。素敵な尾道を楽しむことができました。




      

          
  番外編 旅の楽しみ

R6.12.3 


  尾道での計画

 西国街道の早い時期から尾道に行ったらやってみたい計画がありました。そのため尾道に到着するのをとても楽しみにしていました。

    転校生 

 尾道を知るきっかけは映画「転校生」でした。尾道を舞台にして転校生の一美と幼馴染みの一夫の心が入れ替わってしまいました。二人は混乱しながらも次第にお互いの気持ちや体のことを理解し合うようになります。ある時一夫の父が転勤となり東京へ引っ越すことになりました。家出や自殺までも考える一美の気持ちに一夫は寄り添います。その時二人が入れ替わった神社の階段で再び転げ落ちてしまった二人の心は元の体に戻ります。



 引っ越しの当日、一美は見送りに来ました。動き出すトラックから一夫が8ミリビデオで一美を撮っています。二人は「さよなら、オレ」「さよなら、わたし」と声を掛け合いました。
 私の心に尾道の風景が強く残りました。だからいつかこの町を散策してみたいと思っていたのです。

   林芙美子 

 散策の途中、本町通りに林芙美子記念館を見つけました。芙美子通りの名前があるほど尾道にはなじみのある文学家です。



 ウィキペディアでは「私生児として生まれ、養父・実母と共に行商を営みながら日本の各地を放浪する生活の中で、露天商やカフェの女給等の様々な職業を経験している。実際につけていた日記をもとにした『放浪記』がベストセラーとなり自伝的作品で文名を高めた」と紹介されています。私は森光子が演じる舞台劇で「放浪記」の名前を知りました。
 彼女の生き方はジャーナリズムにもおよび、一人でパリへ旅したり、中国戦地へ従軍し陥落後の漢口へ記者として一番乗りを果たすなどパワフルな取材を常としました。あまりの忙しさに体が持たず仕事の中でなくなったそうです。すごい人でした。

   猫の細道 

 尾道イーハトーヴという言葉があります。宮沢賢治の理想郷を実現する空間プロジェクトです。ここでは人と猫が快適に暮らせる「地域猫活動」に取り組んでいるそうです。細い急坂の路地を登っていくと道の至る所に猫のモニュメントが置かれていてなんだか可笑しくなってしまいます。



 途中猫とすれ違いました。なんだか迷惑そうな顔をしていました。(^^;)
 
   千光寺



 尾道の町を見下ろすように千光寺があります。大宝山千光寺は真言宗系のお寺で本尊は千手観音です。中国三十三観音第十番札所となっていて映画転校生の中でもこの場所が登場しています。この寺から見る景色は尾道の観光写真として使用されています。



 この千光寺はかなり高低差のある場所なので、ロープウェイを使用して観光します。ところがこの日整備点検のため運休となっていました。びっくり! 仕方なく借りた電動サイクリング車で遠回りをして登りました。岩場に作られた本殿や奇岩三重岩登りなどとても楽しめ尾道の素敵な風景を見ることができました。