
2016(H28).1 No.4
南極の島でキャンプ!
4日目にポートロックロイというイギリスの基地のある天然の良港に停泊。ここでは今まであまり見なかった他の船舶にも出会いました。みんなボートで上陸し基地内の売店でお土産を買います。南極唯一のお土産屋さんは商売上手で、上陸前に基地の女性隊員が物品の紹介に来ていました。利益はイギリスの基地維持費に使われるそうです。私はここで自宅宛のポストカードを出しました。いつ着くか楽しみです。ちなみに遅れて南極調査に入った日本の基地は環境が厳しい場所のため、観光では夏でも近づくことができないそうです。
イギリス基地 
一日の日程が終了し、ディナーを終えてから予約をした人のみ南極の小島で行うキャンプに出かけました。ボートで島に送ってもらい自分で寝場所を設営するのです。テントはなし。雪を踏み固め薄いマットを引く、その上に寝袋を置いただけのものでした。参加をした人は50人ぐらい。全員で記念写真を撮ってからは自由時間です。私は興奮して眠くならずみんなが寝てしまった12時過ぎまで一人で氷河を眺めていました。

寝るときには防寒着や防寒ズボンを脱いで寝ました。途中雪も降り寒くなりましたが寝てしまうと起きたら朝でした。みんなは寒くて寝られなかったとのことでしたが私はよく寝られて良かったです。
朝ボートが迎えに来て船へ戻りました。帰ると同じツアーの人からどうだったと声をたくさんかけられました。モーニング珈琲の美味しかったこと。
この日の上陸はアルゼンチンのアルミランテ・ブラウン基地です。この基地は南極半島にあり、ここに上陸できたことは南極大陸に上陸したことになります。ついに念願の南極大陸上陸ができました。
この日の上陸は順調でしたが天候が悪いと氷で上陸地に近づけなかったりします。私達の日程の中では1日だけ上陸ができない日がありボートクルーズに変更しました。やはり南極の環境は厳しいのですね。

この基地は火災で焼けてしまった棟の取り壊しが行われていました。越冬隊の一人がこれ以上基地に居たくないと放火をしてしまったそうです。南極では人の精神状況も平穏では居られないこともあるのだと感じました。
昼食時の移動中にクジラを発見しこれもまた興奮しました。ずいぶん近い。また別の上陸地ではゼンツーペンギンの大コロニーがあり、そのペンギンのほとんどが子育てをしていました。
オットセイ 
ペンギン、アザラシ、クジラ、多くの鳥たち、南極の生き物たちの生活力のすごさに感動しました。

皇帝ペンギン発見!
この日の午後にハプニングがありました。ドライバーの無線に皇帝ペンギン発見の知らせが入ったのです。私達はピンと来ませんでしたがスタッフは大騒ぎです。皇帝ペンギンは本来この地域では見ることがほとんど無く、大きなチャンスだと言うことでした。
ところが全てのボートが結集してしまったため、これでは皇帝ペンギンが逃げてしまう恐れがあるとのことで一隻ずつ近寄るようにリーダーから指示がありました。私達のボートは後半に行くことになりました。そしていよいよ順番となり近づいていくと居ました。他のペンギンより明らかに大きく首の回りが黄色みがかっています。まだ大人の羽根に変わりきっておらず幼羽が残っていました。

鳴き声も大きく周りにアデリーペンギンもいたのですがひときわ高い声で鳴いていました。私達はラッキーだと言われてそうかなとにんまりしました。その後海氷の上で見つけたカニクイアザラシは近寄ったところこちらに歯をむいて威嚇してきて迫力がありました。

翌日船はフレンチパッセージという海路を通過しました。水路が狭く両岸の岩場がそそり立つような場所に加え、ガスで視界が悪くなっている状況を船は慎重に氷山を避けて進みます。

天気の悪い日のボートクルーズは大変です。帰ってくると衣服はびっしょりなので大急ぎで着替えたり乾かしたりします。終了後には休む間もなく放送が入って珍しい場所を通過するから見るようにとのこと。あわててカメラを持ってデッキへ。その後すぐ全体で一日を振り返るリキャップがあり、終わるとディナーです。夜はここではまだ暗くなるので寝ることができます。深夜でも明るくて動物が見られるようでは寝る暇も無くなってしまいます。
