この日の昼食はガルダ湖の北東、トレントの街にある「AL VO」という家族的な雰囲気の店でした。若い女性が歓迎の挨拶をしてくれたのですが、彼女はこの店の五代目ということです。本来はお休みの日だったのですが私達のためにわざわざ店を開けてくれました。クルミのパスタロールやスズキの魚料理、おばあちゃん手作りのティラミスなど本当に美味しく楽しい雰囲気で満足しました。



 いよいよドロミテを象徴する風景が楽しめるサンタ・マッダレーナ村へ着きました。ここも雨の予報でしたが着いてみると雨は降らずにすみそうです。
 フーネス谷のサンタ・マッダレーナ村は北イタリアのドロミテ山塊の奥深くにある小さな村です。昔はオーストリアの一部で南チロルというドイツ語が話されるエリアだそうです。どうしてこんなバスの折り返しも大変な村へ来たのか。1時間ほどの散策時間があったので早速村の方に歩きます。



 村の細い道を教会めざして登っていくと道の両側には可憐な花が満開となっていました。



 思わず足を止めて写真を撮ってしまいます。いくつもの高山植物が見られる素敵な時期でした。ふと振り返るとこの村に来た理由が分かりました。私は教会に行くことをやめてサンタ・マッダレーナ村の風景をじっと眺めるのでした。



 ラインホルト・メスナーという登山家はこのフーネス谷の出身で、世界8000m級全14座を完全登頂した初めての人です。日本には植村直己さんが冒険家として知られていますが、メスナーもグリーンランド、南極大陸、ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠の横断を成功させました。メスナーはこの風景の中で育ったのですね。



 この村には1時間ほどしか滞在できませんでした。ここに宿泊してゆっくり散策できたらいいのに。周辺のハイキングコースを歩いてこの風景を堪能できたらどんなに素晴らしいだろう。
 心残りでしたがバスは山を背にしてボルツァーノの街へ下っていきました。

          

      


                  
 2024(R6).6 NO.3 





 シルミオーネはガルダ湖に突き出た細長い岬で、現在はリゾート地として人気があります。この岬の先端にはローマ時代の遺跡があり、当時も別荘地として利用されていました。ここには温泉も出ていてイオウの成分が多いそうです。保養地としては最適だったのですね。(^_^)



 岬の中頃にスカリゲル城があります。ここを治めていたスカラ家の名前から呼ばれる様になりました。旧市街を見下ろし、城壁で囲んだ船の発着場もあります。約1時間の観光時間があったのでスカリゲル城に入場しました。



 城内の急階段を登ると城壁の内庭や海に面した船の発着場が見えます。城壁は一周することができたので周囲を見渡しながら歩いてみました。





 レンガを積み重ねた城壁に触れると気温は上がっていましたが、ひんやりした触感が城の頑丈さ、歴史を感じさせました。この岬の防衛や商業の中心となっていたのですね。
 時間が無くなりましたがジェラートを食べるのも計画に入れていました。大急ぎで来るときに決めていた店で注文をします。カップに一つと思っていたのですが、どうも二つでないと注文できないようです。2種類のジェラートを指さしてみると大きな塊が2つのったカップを手渡されびっくり。間に合うか…。
 最初は美味しかったのですが,時間に追われ次第に罰ゲームのような感じになってきました。味も混ざって分かりません。(-_-;) ついに全部を食べる時間が無くなり残してしまいました。残念…。