その後オーロラは姿、形を変えあらゆる方向から現れては消える、壮大な天体ショーとなりました。しかしこの日夜露がひどく衣服やカメラがものすごく濡れます。オーロラが弱まった時はタオルやハンカチをかけレンズを拭いたりとてもいそがしい撮影となりました。
オーロラが渦を巻き始めました。この日は夜間使用されていない滑走路で観測していたのですが、多くの人は椅子を持ってきて座って空を眺めています。滑走路のあちこちで「オー!」という声が聞こえます。周囲が暗いのでオーロラとその歓声だけがはっきりしてますます楽しい気持ちになりました。

時にオーロラは何本ものカーテンとなって頭上を動きます。東の空の撮影に夢中になっていると今度は西の空から強い光が現れるなど方向がどんどん変わるため油断できません。その一瞬をとらえたいとずっと思ってきたことが実現しているのです。


いくら見てもどれだけ写真を撮っても切りがありませんが、防寒具は夜露でびっしょりです。寒くもなりました。翌日はなんと朝8時にホテルを出発しなくてはなりませんでした。深夜3時頃に残念ですが終了して部屋に戻りました。ホテルに入る前に空を見上げると、また強い光のオーロラが頭の上から降り注いできました。しばらく足を止めて見入っていました。

2024(R6).9 NO.2
9月11日夜、天気が回復してきました。雨の予想でしたが、昼間も降らずに夜になると雲が消えてきました。絶好のオーロラ観測日となり、チェナに来ている人々の気持ちが高まります。夕食にはキングクラブと大きな肉の皿が出ていましたが、窓の外の様子が気になり、味をあまり覚えていませんでした。(^^;)

日が次第に落ちてきて夜空がすっきりと広がります。まだ明るいので出ないとは分かっているのですが、顔は空に向いてしまいます。楽しみでした。
しばらく待っていると空に白い筋のようなものが現れました。あれ?雲が出てきたかなと思っているとその白い筋はどんどん大きくなっていきます。
これはオーロラなのではないかとどきどきしました。

真っ直ぐに伸びていた白い筋は揺らめき始めました。間違いなくオーロラです。まだ空が明るいため色が十分感じられませんでしたが次第に緑の色が分かるようになってきました。
私はこの日のためにいつも使用している写真機材を準備しました。Canon EOS M6ミラーレスカメラ、レンズはEF-M15-45mm F3.5-6.3
IS STMと三脚、シャッターは携帯にカメラコネクトのアプリを入れカメラに触らずにシャッタ-を押せるようにしました。感度は25600相当にして広角、BULB(バルブ)で10秒ほどの長時間露光をしてみました。すると暗くなってきた空にカメラがとらえた光は素敵なオーロラとして姿を現しました。


