2016(H28).1 No.6


南極に別れを告げる時

 南極滞在一週間が過ぎていよいよ南極に別れを告げる時となりました。船はエンジン音を大きくして大陸を離れていきます。夕食時にはツアーの皆さんの談笑がひときわ高い声で続きました。海には夕陽が鮮やかに輝き、遠くに氷山が見えます。



 氷山は3kmの長さの氷山だと説明がありました。3kmの長さの氷山を生み出す氷河が無数にある南極。なんて大きな所なんだろう。そしてそこに生きる動物たちの何と数の多いことだろう。素晴らしい経験をさせてもらったと感謝しました。
 その後日本のニュースで南極の大きな氷河にひび割れが見つかり、分離すると20数キロの長さの氷山ができる事になると報道されました。日本の千葉県の大きさになるそうです。なんという大きな世界なんだろうとあらためて感動してしまいました。

 極地探検は未開の地の開発が進み、自然を壊してしまうものではないのか、そしてそこに生きる人々や動物たちにも大きな影響を与える恐れもあるのではないかという意見もあります。
 一方で人の営みはとどまることなく活動範囲を広げ、自然はいつか崩壊していくから早い段階で多くの人に知ってもらい、保護を進める方が良いという考え方があります。その保護の手段の一つとして観光があるのです。ルールに則った(のっとった)観光による収入で自然保護の環境を整備する方法です。

 どちらが良いのかは検討が必要ですが、私は南極やアフリカの動物たちを見て、いつまでもこの生活が残って欲しいと考えました。またその考え方を知らなかった皆さんにも伝えていこうと思いました。このホームページもその考えに基づいて作っています。




最後まで読んでいただいてありがとうございました。


         

          
クジラ!
寝てる時じゃない!

 
 1月24日6時起床、疲れていたのか途中で目も覚まさず朝となりました。室内で体操をして4階のクラブでコーヒーを飲みます。いつでも無料のクッキーとコーヒーが置いてありとても居心地がいいのです。朝食後7階デッキで船の停泊作業を見ました。イカリを降ろすのは思ったより手作業なのでびっくり。終了すると今度は後甲板でゾディアックボートを降ろす作業を見ました。クレーンで1艘づつ海に降ろしていきます。寒さの厳しい中での作業はそれぞれが大変だと思います。感謝。
 この日のクルーズを終えて食事をし部屋に戻るとまだ早いが眠たくなってしまいました。少し居眠りをしていると部屋の電話が鳴り添乗員さんから興奮した声が飛び込んできました。
「寝ている場合じゃないよ。クジラ! クジラ! 早く来て!」大急ぎで防寒着を着てカメラをもってデッキへ出ました。
 薄暗くなりかけている湾の中をクジラが数頭泳いでいるのが見えました。
 

 甲板にはすでに多くの人達が見ています。しばらく泳いでいたクジラ達は一斉に尾びれを見せて潜っていきました。しばらくするとその周辺に泡が湧き上がってきたのですが、その泡は丸く円を作って上がってきました。その後すぐのことです。
数頭の鯨が大きな口を開けて海面に飛び出てきたのです。
       





    
   

 夜海面近くに集まるオキアミを泡で集めて一気に捕食するバブルネットフィーディングという漁法でした。海面に浮上する時の迫力に感動しました。その後数回捕食を繰り返し静かに遠くへ離れていきました。大きなショーが終わったようで興奮がなかなか冷めませんでした。南極で生きる動物たちの営みを自分の目で見ることができたのが本当に嬉しかったです。