町を歩いて

 船の乗船を待つ間、ツアー仲間と町の観光に行きました。すでに朝の散歩で周辺を歩いていたので様子はわかります。どの方向に行っても30分ほどで町はずれになってしまうぐらい小さな町です。ただ町を出るには銃の携行が必要です。ホッキョクグマに出会ってしまうこともあるからです。
 町の丘に立つ教会は素朴な装飾(そうしょく)でほっとできるところでした。周辺では野生のトナカイが草を食んでいます。のんびりしました。





 この町には世界最北の教育機関「スヴァールバル大学センター」に併設(へいせつ)されているスヴァールバル博物館があります。この地の開発の歴史や文化、動物の様子が展示されていました。



 私はこの展示を見て島で行われたクジラやセイウチ、キツネなどの狩りが数十万頭に及ぶことを知り悲しくなりました。絶滅寸前にまでなった動物のことを考えると、人が商業ベースで自然に与えるダメージは怖(こわ)いぐらいに大きなものなのだとあらめて感じます。今年、日本は商業捕鯨を再開します。 


 
 スーツケースが今日の午後、空港に届くと連絡があったので添乗員さんが受け取りに行きましたが、まだ帰ってきません。乗船1時間前になりました。



 「ありましたー」と言いながら添乗員さんがスーツケースを持って帰ってきてくれました。「よかったー!」間に合いました。なんと一番最後に荷物が出てきたそうです。
 これで安心して極地(きょくち)に向かうことができます。感謝!
 
       

    
                        
2019(R1).6  NO.2

  世界最北の町

 ロングイヤービェンの町はアメリカの実業家が起こした町でその名前がつけられています。1000人以上の人口を有する町では世界最北端にあります。南極では南緯66.5度を超えると海氷で先に進めませんでしたが、ここはすでに北緯78.2度に位置しています。



 この町は石炭鉱山が開発された1906年頃からできました。現在は最盛期のような生産量はありませんが、町の東側で操業(そうぎょう)しているとのことです。町には石炭を運ぶためのリフトもありました。



 この町があるスヴァールバル諸島はスヴァールバル条約によりノルウェーの領有(りょうゆう)となっていますが、条約の加盟国は等しくこの島で経済活動を行う権利を有するそうです。(日本もこの条約に加盟しています)
 ここで納められる税金はここでのみ使用される事になっています。またここは非武装地帯として軍事活動を禁じられています。
 この条約のせいだと思いますが帰りの飛行機でトロムソ空港に着いたとき、同じ国なのにパスポートチェックがありました。



 スピッツベルゲン島は夏季でも平均気温が7~8度で、年間の降水量は250ml程度のとても乾燥(かんそう)した島です。冬の極夜(きょくや)、夏の白夜(びゃくや)、私達の普段の生活とはかけ離れた世界がここの生活です。
 この島での観光は雄大な自然を楽しむアクティビティ系のものが多いようです。夏は氷河クルージングやホエールウオッチング、ハイキングや釣りなど、冬はスノーモービル、犬ぞりやオーロラ観測などで楽しめます。