モロッコの都市や町、村には大小様々なモスク(礼拝所 れいはいじょ)があります。カサブランカ到着後、ハッサン2世モスクへ行きました。



 そのモスクの門、壁、柱などには美しいモザイクの模様(もよう)が見られます。その壮大さに感動しました。



 ここでは像や絵画など具体的な形あるものは禁じられています。偶像崇拝(ぐうぞうすうはい)を禁じたイスラム教では祈りを捧げる場にこれらの様々な模様が使われています。
 美しい模様は王宮にも見られ門や内装にもふんだんに使われていました。



 また王朝の墓にも美しいモザイクタイルの模様が見られるのでした。



 これらの模様は普段の生活の場にも浸透していて食器などにも美しいカラフルな絵柄がたくさん見られました。


 
 イスラムの世界は思った以上に華(はな)やかな彩(いろど)りで、はっとすることに出会うことが多い気がしました。

       


                            
2019(H31).1 NO.1



 平成31年(2019)1月、カサブランカ空港に降り立ちました。日本からドーハまで12時間、ドーハからカサブランカまで8時間、待ち時間も合わせるとまる1日かかって到着しました。
 砂漠とスパイの暗躍したアラブの国へ行きたいと思ったのは、スペインのテレビドラマ「情熱のシーラ」で登場した女性スパイの妖(あや)しさや、あの有名な映画「カサブランカ」のハンフリーボガードの台詞(せりふ)に魅了(みりょう)されたからです。

 
「夕べどこに行ってたの?」
「そんな昔のことは覚えてないね」

「今夜会える?」
「そんな先のことは分からない」
「君の瞳に乾杯!」
      素敵ですね。(^_^) 

 この時期はアーモンドの花が咲く頃で花は桜の花によく似ているそうです。また人々が集(つど)い活気あるアラブの市場を歩きたい。そんなワクワクする気持ちでモロッコへ来ました。

 カサブランカ空港は正式にはムハンマド5世空港と言います。名前が示すようにモロッコは王国で現在は6世が在位しています。人口は3千3百万人を越え、2/3がアラブ人、1/3がベルベル人の構成となっています。
 ベルベル人?あまり聞いたことのないこの名前はギリシャ語で「分けの分からない言葉を話す者」という意味でこの国を侵略した者が勝手につけたそうです。だから自分たちではベルベル人とは呼ばないそうです。あたりまえですね。自称は「アマーズィーグ」だそうです。



 モロッコ王国はジブラルタル海峡を隔(へだ)ててヨーロッパにとても近い位置にあります。そのため歴史的にもローマ帝国やイスラム帝国の支配を受けたことで政治的にも宗教的にも大きく変化をしました。現在ではイスラム教が国教となっています。
 空港のバス停でメッカに向かって礼拝している姿や、道路横の芝生の上でも礼拝をしている姿は印象に残りました。

 近年では世界大戦前後にフランスやスペインの統治を受けた時期もあることでヨーロッパ的な建築物も多くあります。また逆にモロッコからスペイン内戦へ兵士が派遣され、独立の契機となりました。スパイが暗躍したのもこの頃のことです。多くの変遷(へんせん)を経(へ)て現在は平和なモロッコがありました。

 カサブランカの町は夕方の大混雑でバスは前になかなか進みません。これではスパイも素早く動けなくて困りますね。(^^;)