H25(2013).8 NO.6

夜にグラナダのホテルに迎えのバスがきました。小型のバスですがよくこんな道を通れるなと思うほど細い路地を抜けていきます。しばらく走るとひときわ明るいライトに照らされたフラメンコ劇場クエバ・デ・ラ・ロシオに到着しました。

この店は1951年に創業され、フラメンコ界で有名なマジャ家が運営している洞窟舞台のあるレストランです。スペインのホアン・カルロス前国王とソフィア前王妃やアメリカのオバマ大統領夫人、ビル・クリントン前大統領が来たこともあるそうです。すごいな。

洞窟のような部屋は細長く観客は左右の壁に沿って椅子に座り、フラメンコを鑑賞します。ここのフラメンコはグラダナ周辺の民謡がルーツになっているそうで、サンブラと言いますが主に婚礼などの時に歌い踊られてきたそうです。

タンゴのような演奏や歌が流れ出すと踊り手が中央に進み踊り始めます。動きは次第に激しくなって会場は熱気に包まれます。ダンサーが近いこともありその気迫に圧倒されてしまいました。すごい!

情熱的な舞台が終了して店の外に出ると夜風が涼しく、遠くアルハンブラ宮殿のライトアップが輝いています。素敵な夜でした。



アルハンブラ宮殿は都市のような性質があり宮殿内に住居、モスク、浴場、学校、墓地、軍隊の居住地などがありました。宮殿は時代により少しづつ増築され、数千人が居住する城塞都市となりました。現在残る施設の大部分はイスラム王朝時代のものです。

宮殿の見どころの一つアラヤネスの中庭には水が満々とたたえられ美しいフォトスポットとなっています。正面の建物はコマレス宮でスルタン(王様)の公的な住居でした。その両側にはたくさんの女性が住んでいたそうです。スルタンの特権ですね。

ライオンの中庭を囲む柱は大理石で優美なアラベスク(幾何学模様)が美しく彫刻されています。

二姉妹の間には鍾乳石で作られた天井がありました。星や花をモチーフにした精巧な彫刻です。この宮殿の繊細さは一体誰のためのものだったんでしょうか。

屋根に立つライオン像は長い間この宮殿の主(あるじ)が変わっていくのをずっと見続けているのですね。



