象だけでなくサイなど他にも数が激減して絶滅が心配される動物達もたくさんいます。今アフリカの動物達を救う方法として各国で動物を資源とした観光地化が進められています。観光客が増加すれば動物の価値が認められ、殺すよりも生かして数を増やすことの方が経済的に豊かになれるからです。みんながこのように考えるようになれば殺戮は無くなります。また紛争が無くなれば動物達が殺される可能性も低くなります。

 干上がった湖

 最終日にアンボセリ湖を通りました。大きな湖は完全に干上がっています。遠く歩いている動物たちの蜃気楼が見られ、その姿は浮いて見えました。



 地球の環境は変わりつつあります。こんなアンボセリ湖では人も動物も暮らしてはいけません。フラミンゴのいなくなったナクル湖もそうでしたが、公園以外の他の場所に移動した動物たちは、その国では保護されず狩猟や密漁の標的となってしまうかも知れません。環境を守ると言うことは動物たちだけでなく人や国を守ることにもつながると思います。



 草原をゾウの親子が歩いている姿はとても素敵でした。いつまでも続いて欲しい光景だと思いました。



         

     


NO.3

 動物たちの未来は

 ドライブが終了する頃、ドライバーのピーターさんが密猟で象の数が減っているという話をしてくれました。そういえば入口で警備員が銃を持っていたり、公園内でレンジャーにドライブの許可証を見せるよう言われたりしたことを思い出しました。

 後で調べてみるとゾウは象牙が高く売れることから密猟者によって大量に虐殺されているそうです。中にはヘリコプターを使って上空から機関銃で50頭ものゾウをいっぺんに殺してしまったこともあったそうです。
 1800年頃には、約2000万頭のアフリカゾウがいたらしいのですが、アフリカが植民地化され白人のハンティングなどで激減し、1970年頃には100万頭ほどになったそうです。20分の1に減りました。その後も大規模な密猟が続き、頭数を減らして30万頭ぐらいになったという調査結果もあります。実はこのゾウの大量殺戮のきっかけとなったのは日本が大規模な象牙の取引をしたからだそうです。心が痛みますね。

 1989年にワシントン条約で象牙の取引禁止が決められました。そこでアフリカゾウの減少は止まり、2000年半ばには約50万頭にまで回復したのです。ところが2005年頃から再び激しい密猟時代に入っています。それは象牙がテロの資金となるためです。国立公園内では公園のレンジャーが守ってくれていますが、自由に行き来する動物たちが公園の外に出ると誰も守ってはくれません。この象たちは将来に生き残っていけるのでしょうか?