トルコの商人

 トルコでは絨毯(じゅうたん)を買おうと思っていました(飾るための小さなものです)。そしてその時にトルコの商人との値段交渉を楽しみたいと思っていたのです。その日ツアーではハドサン絨毯工房へ立ち寄りました。



 ここでは織り子さんの制作実演がありました。以前の織り子さんたちは長い時間を掛けて絨毯を織っても安い値段で買いたたかれ貧しい生活を強いられていたとのことです。そこで地方公立の機関が認定書を出したり、公正な取引が行われるように織工にライセンスを出し、絨毯を公正な値段で買い取られるようにしたそうです。その結果女子の教育や生活が向上したと説明がありました。話を聞いた私はあまり値切るのも良くないかなと少し弱気になりました。



 でもいろいろな絨毯の紹介の後、商談に入ると気持は切り替わりました。片ことの日本語が話せる職員に小さい絨毯を示しいくらかと尋ねると「7万5千円」と言います。「高いなあ」と私。すぐに彼が「これは良い品だ」と商品を褒めます。私は絨毯をなぜながら「気に入っている。欲しいんだけども」と渋ります。彼は上司と相談すると席を離れました。すぐ戻ってくると「6万5千円でいい」と言います。私は残念そうに席を立とうとします。彼は「いくらぐらいならいい?」と聞きます。私は「3万円ぐらい」と言うと彼はビックリした顔で「だめ」と言いました。私は一度その場を離れてまた戻って同じ絨毯を眺めます。彼もまた来ました。



 私は出されたチャイを飲みながら「トルコは好きな国なので旅行に来た。記念に買って帰りたい。4万円ではどう」と聞きます。彼は上司に聞きに行き「5万円」を示します。今度は私が妻に相談してくると席を離れます。戻って「やはり残念だが」と言うと彼は再度上司と相談しに行き「4万5千円ではどうか」と示しました。私はここで織り子さんのことが思い浮かび「分かりました。買いましょう」と彼と握手したのです。本当はもう少し安いのかなとも思いましたが楽しい商談でした。彼ともずいぶん仲良くなった気がします。私だけかな(^_^;) 

        

     


   
  H22(2010).8  NO.3

 地下都市
   カイマクル


 カッパドキアの近くに250カ所もの地下都市郡があります。洞窟で生活していた住民は危険が迫ると地下に避難し、入口をふさいでしのぎました。
長い期間の生活に耐えられるように地下都市には通気口や水路、礼拝所、食堂などが備えられていました。キリスト教が迫害されたとき多くの住民がこれを利用したそうです。



 実際に入ってみると手掘りの部屋が次々現れます。





 岩がもろいため床が抜け落ちているところもありました。



 地下に隠れての生活をしなくてはならない時代は本当につらいですね。