流れる溶岩

 この夜、ヒロの街のホテルに入ると疲れてしまい居眠りから起きると夜になっていました。夕食にすごい量のパスタを食べ、明日の集合場所を確認するため車で出かけました。集合地のスーパーで朝食を購入して明日に備えます。
 午前3時、起床して4時に集合場所に着きました。担当の方が手続きをして車でついていくと到着したのは公園でした。船に乗るのになぜ公園?少し不安な気持ちで待っていると、そこにトレーラーに乗った10m程のボートが出てきました。乗客ははしごを使って乗船します。


 
  乗船が終わるとトレーラーはバックして近くの海の坂道を下って行き、そのまま海に入りました。ボートはトレーラーの荷台から浮き上がり出船しました。なるほどと私は感心しました。
 ボートは溶岩流が流れ込んでいる崖を目指します。なぜだか分かりませんが船は電気を消し真っ暗な海を疾走します。お尻が浮くジェットコースターのようでした。波にぶつかるとしぶきがかかります。時々ホタルイカがデッキに打ち上げられ青い光を放っていました。そして30分後見えてきたのはすごい光景でした。



 泡立つ溶岩流、立ちのぼる水蒸気、海水は煮立っているのです。海にブスブスとくすぶる溶岩のかけらが流れています。船から見ている私達の顔が熱くなります。船員の方がバケツで海水を汲み、手を入れてみろと促します。やってみるとかなり熱いのです。
 船は波で上下するので真っ赤な溶岩が見られたと思うと急に真っ暗な海となります。そのような光景を40分ほど繰り返し見ることができました。来たんだ。このためにここに来たんだ。本当に夢のような体験でした。




        

     


                        
 2009(H21).12 NO.4

冒険の島Hawaii
 キラウエア火山


 平成20年8月にハワイを訪れた時にキラウエア火山の溶岩流が止まってしまいました。その時は6日ほど止まり、その後再び海に流れ込み始めたそうです。そんな時に旅行日程が当たってしまい溶岩流を自分の目で見るという目的を達成できなかったため、今回再びハワイを訪れたのです。



 今回の目的は溶岩流を見ることと、前回遅い時間にホテルに戻る途中で見た素晴らしい星空をもう一度見ることでした。そのため溶岩流はできるだけ近い位置から見るため、船を予約しました。そして星空をできるだけ高い位置で見るため4WDでマウナケア山頂近くへ登ることにしたのです。

 日本出発は12月のことですから寒かったのですが、さすがにハワイは暑くて長袖がじゃまになりました。レンタカーで一番に向かった先はコナコーヒーで有名なグリーンウェルコーヒー農場です。前回は農場を案内していただき美味しいコナコーヒーを試飲しました。今回もコーヒーをたくさんいただき満足しました。



 この日向かったのはキラウエア火山の昔の火口内を横断するキラウエアトレイルという散策です。以前火口内は溶岩が赤く煮えたぎり、噴火もしました。それが落ち着くと火口は冷えて溶岩が固まり一面岩の原となったのです。



 山のように盛り上がったところもあれば、平らで一枚岩のように歩き安いところもありました。しかし火山が活動している様子はそこかしこに噴気孔があり熱い蒸気が噴き出していることで分かります。ところどころに見られる植物には赤い花が咲いていてほっとするのでした。