【問 36】 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で建物(代金2,400万円)の売買契約を締結する場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア Aは、Bとの間における建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を480万円とし、かつ、違約金の額を240万円とする特約を定めた。この場合、当該特約は全体として無効となる。
イ Aは、Bとの間における建物の売買契約の締結の際、原則として480万円を超える手付金を受領することができない。ただし、あらかじめBの承諾を得た場合に限り、720万円を限度として、480万円を超える手付金を受領することができる。
ウ AがBとの間で締結する売買契約の目的物たる建物が未完成であり、AからBに所有権の移転登記がなされていない場合において、手付金の額が120万円以下であるときは、Aは手付金の保全措置を講じることなく手付金を受領することができる。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 なし
【正解】 1
ア(×)宅建業者が自ら売主となり、一般消費者との間で売買契約を締結する場合、当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う「損害賠償の予定」又は「違約金の定め」は、これらを合計して売買代金の20%を超えることができない。これに反する特約は20%を超える部分について無効となるが、特約が全体として無効になるわけではない。
また、「損害賠償の予定」も「違約金の定め」もないときは、売買代金の20%の制限はない。この場合には通常の損害額が請求できるので、20%を超えることもあり得る。
イ(×)宅建業者が自ら売主となり、一般消費者との間で売買契約を締結する場合、手付の上限は売買代金の20%までとなる。
ウ(○)手付の保全措置は、未完成物件の場合、代金の5%以下でかつ1,000万円以下であるときは不要となる。よって本肢は正しい。