第一問(代理)

【問 1】代理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 売買契約を締結する権限を与えられた代理人は、特段の事情がない限り、相手方からその売買契約を取り消す旨の意思表示を受領する権限を有する。

2 委任による代理人は、本人の許諾を得たときのほか、やむを得ない事由があるときにも、復代理人を選任することができる。

3 復代理人が委任事務を処理するに当たり金銭を受領し、これを代理人に引き渡したときは、特段の事情がない限り、代理人に対する受領物引渡義務は消滅するが、本人に対する受領物引渡義務は消滅しない。

4 夫婦の一方は、個別に代理権の授権がなくとも、日常家事に関する事項について、他の一方を代理して法律行為をすることができる。

 

 

 

【正解】   3

 

 

1(○)相手方から売買契約の取消の意思表示を受領する権限は、代理権の範囲内の行為であると解される。

2(○)委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない(民法104条)。

3(×)復代理人が代理人に対し、受領物を引渡したときは、代理人に対する受領物引渡し義務および本人に対する受領物引渡し義務は消滅する。

4(○)夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない(民法761条)。このことから一般的に夫婦間は互いに代理できるものと解されている。

 

 

 第二問へ

2017年12月25日