【問 6】Aは、Bに建物の建築を注文し、完成して引渡しを受けた建物をCに対して売却した。本件建物に瑕疵があった場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Cは、売買契約の締結の当時、本件建物に瑕疵があることを知っていた場合であっても、瑕疵の存在を知ってから1年以内であれば、Aに対して売買契約に基づく瑕疵担保責任を追及することができる。
2 Bが建物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき義務を怠ったために本件建物に基本的な安全性を損なう瑕疵がある場合には、当該瑕疵によって損害を被ったCは、特段の事情がない限り、Bに対して不法行為責任に基づく損害賠償を請求できる。
3 CがBに対して本件建物の瑕疵に関して不法行為責任に基づく損害賠償を請求する場合、当該請求ができる期間は、Cが瑕疵の存在に気づいてから1年以内である。
4 本件建物に存在している瑕疵のために請負契約を締結した目的が達成することができない場合、AはBとの契約を一方的に解除することができる。
【正解】 2
1(×)瑕疵担保責任は隠れた瑕疵があった場合に、売主に対して責任を追及できる。買主Cが瑕疵の存在を知っていたときはこの限りでない。
2(○)建物の建築に際し、施工業者や設計者に対する安全配慮義務である(判例)。
3(×)不法行為による損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過した時も同様とする(民法724条)。
4(×)仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達成することができないときは、注文者は契約を解除することができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない(民法635条)。