【問 5】抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 債権者が抵当権の実行として担保不動産の競売手続をする場合には、被担保債権の弁済期が到来している必要があるが、対象不動産に関して発生した賃料債権に対して物上代位をしようとする場合には、被担債権の弁済期が到来している必要はない。
2 抵当権の対象不動産が借地上の建物であった場合、特段の事情がない限り、抵当権の効力は当該建物のみならず借地権についても及ぶ。
3 対象不動産について第三者が不法に占有している場合、抵当権は、抵当権設定者から抵当権者に対して占有を移転させるものではないので、事情にかかわらず、抵当権者が当該占有者に対して妨害排除請求をすることはできない。
4 抵当権について登記がされた後は、抵当権の順位を変更することができない。
【正解】 2
1(×)抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ(民法371条)。よって、賃料債権に対して物上代位しようとする場合には、弁済期が到来している必要がある。
2(〇)建物に対する抵当権の効力は借地権についても及ぶ。
3(×)抵当権者は不法占有者に対し、妨害排除請求権を行使できる。
4(×)抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる(民法374条1項前段)。