三日目には野生のヒグマに会うため知床岬の方までボートで向かう予定でした。快晴の絶好な日だと思っていたら早朝に連絡が入り。強風のためクルーズは中止にするとの事でした。
がっかり(-_-;)

 仕方が無いので翌日、ヒグマに会いに釧路動物園に行きました。ところが、動物園にはヒグマが飼育されておらず、ホッキョクグマが砂の上で転げ回っているのでした。(^^;)



 ホッキョクグマは汚れて茶色になっていてなんだかヒグマに見えてしまうのでした。最近北海道では町の中でもヒグマが目撃されており、動物園では人気がないのかも知れません。

鹿がいました 
羅臼ビジターセンターの間歇泉 



 釧路に戻った翌日は湿原のカヌーツアーを予定していました。ところが天気は雨、早朝に中止の連絡が入ってしまいました。あきらめきれない私は午後にツアーができないかいくつもの会社に電話をかけまくりました。そしてついに引き受けてくれるところが見つかったのです。午後の天気回復を祈りました。



 午後3時、いよいよ釧路湿原のカヌーツアーに出発です。天気は晴れてきて風もなく、絶好のカヌー日和となりました。そしてこの時間は他の会社のツアーは終了していて、川にはただ一艘、私達だけの川下りなのでした。



 静かな川面を滑るように進んでいくと、川辺ではくつろいだ時間を過ごすエゾシカの親子やザリガニを捕まえたミンク、オジロワシなどが見られ、人の少ない時間ならではの動物との出会いができました。最高の時間を過ごせました。

 オジロワシ 

 私が出会えたシマフクロウは餌付(えづ)けされていて観察が容易になっています。そのことで本来の自然の姿とは違うのではないかとの意見もあります。しかし絶滅危惧種のシマフクロウは人間が破壊してしまった環境の中で生息しています。人が自然に近い環境を再現することで生存が可能となり、繁殖も進んでいることを考えれば、必要な事なのだと思います。
 観察が容易になることで、野生動物への興味関心が高まり、自然保護の意識が高まることは、動物にとっても人間にとっても良いことなのではないでしょうか。

 広い畑の中でタンチョウヅルの親子が見られました。牧草地では牛がのんびりと草を食べています。 北海道の素敵な姿に出会えた旅でした。




        
                        
  2023(R5).6



 令和3年(2020)予定していた北海道旅行が中止となりました。以前会うことのできなかったシマフクロウにどうしても会ってみたいと宿や交通機関を予約していたのですが、思いも寄らない新型コロナの流行で全てをキャンセルせざるを得ませんでした。その影響も少なくなったことで今年、野生動物に会いに北海道を訪れることにしました。



 梅雨の時期で雨も心配されましたが6月の北海道はとても爽やかで過ごしやすかったです。納沙布(のさっぷ)岬を経て羅臼(らうす)に夕方到着できました。鷲(わし)の宿と呼ばれる宿泊施設に入りじっとシマフクロウが現れるのを待ちます。シマフクロウは北海道だけに生息し全長70cm、翼を広げると180cmにもなる日本最大のフクロウです。とてもワクワクする時間でした。4時間ほど待った夜11時半のことです。上空から突然シマフクロウが現れ照明灯の上に停まりました。
大きい!翼を広げた姿に感動です。

 シマフクロウ 



 しばらく周囲を見まわすとやがてエサ場の川石に降りてきました。シマフクロウは川の中をじっと見つめています。そして少し翼を動かしたかと思うと水に足から飛び込みました。その後大きく翼を動かし、川から上がってみるとその足に魚を捕まえています。見事な狩りでした。



 その後、もう一度狩りを繰り返した後、シマフクロウは山の方に飛び去って行きました。素敵な時間でした。

 翌日、二つ目の目的であるシャチとの出会いを求めてクルーズに出ました。最近、羅臼の海にはシャチが集まり、目撃情報がたくさん聞かれるようになりました。一説によると400匹以上のシャチがいるのではないかと言われています。期待が膨(ふく)らみます。
 しかしこの日は町も海上も濃霧となり、発見できるか不安になりました。仲間の船から情報が入ってきました。現場に向かいます。濃い霧で近くの海面しか見えません。その時、突然シャチの姿が現れました。2mもある背びれが白波を立てて近づいてきます。

 シャチの群れ 



 子供のシャチも一緒に泳いでいます。大きな姿に感動しました。その後天候も回復に向かい、青空の下でもシャチの群れが観察できるようになりました。素敵な光景に出会えて本当に嬉しかったです。