私はNHKの朝ドラが好きでよく見ていますが、朝ドラでは主人公の人生を追うことが多く、その中では戦時中の生活場面が必ずと言っていいほど描かれます。そのシーンには自分が正しいと思って行った言動を、周囲の人達がみんなと同じ事をしていないと責めることがよくあります。
戦争が終わると責めていた人達はいつのまにかいなくなります。でもみんなに責められた人の心は傷ついてなかなか治ることがありません。時には一生悩み苦しむことにもなるのです。戦争中の苦しい生活が人々の心を荒れさせてしまうのでしょう。今回のコロナウイルスによる生活の変化は、この状況とよく似た光景を生み出しているように思います。

みんなが苦しんでいます。
でもいつか必ず平穏な日々が戻ります。その時に自分が行ったことを次の世代に胸を張って話すことができるようになるといいですね。

私はいつも学級開きのとき「学級通信ときどき」のなかで子ども達に私の思いを伝えました。
みなさんに望む担任の願い
R2(2020).4
いつか来た道
新型コロナウイルス感染に思う
令和元年(2019)12月頃、中国で新型の感染症が発生しているとニュースになりました。遠い場所での話しなのでなんとなく不安はありましたが、深く気にすることもなく過ごしていたように思います。
1月初めに鎌倉街道歩きで東京都墨田区を歩いてみて人が少なくなり、街の様子が変わっていることにびっくりしました。同時に不安を越えてこわいという気持ちにもなりました。それからひと月たたないうちに店からはマスクがなくなりニュースの報道も深刻さを増してしまいました。
3月には市内各施設が使用禁止になったことで私の指導している体操教室もお休みしなくてはならなくなりました。学校も休校で卒業式がさびしく控えめに行われ子ども達は本当にがっかりしたことと思います。
さらに4月には休校が続き、体操教室はおろか学校の授業ができず家に閉じこもらなくてはならない日々が続いています。なんという春を迎えたのだろうと悲しい気持ちになりました。
このような時にはみんなが不安になり、ニュースや人の言動に振り回されるようになります。トイレットペーパーやティッシュが店から急になくなったのもこのことが原因でしょう。本当はやさしかった人達が人を疑い、こわがり、人を責めたりすることも多くなってしまいました。
仕事をお休みしなくてはならなくなり困っている人がいます。休みたいけれど仕事をしなくてはならず困っている人もいます。困っていることがわかっていても助けられないと悩む人もいます。せめてお互いの大変さに寄り添うことができたらいいのに。
