素敵な忍者


 技がスタートしました。トリフィスといわれる3回転宙返り半ひねりが鮮やかに決まり中心を外していません。技は続きます。更に2度目のトリフィスも決まりました。一瞬ひざの緩みが見られるジャンプもあったのかも知れませんが、ひかるさんはその後もジャンプの高さや回転、ひねりのきれも変わらず続けて最後の着地まで演技を続けました。
 会場は大きな拍手に包まれひかるさんも手を高々と上げて喜んでいます。私は手をたたくことも忘れて良かったーとほっとする気持ちでいっぱいでした。
 最後の演技者、中国選手が終了すると結果を待ちます。選手が待つ場所は障子と畳(たたみ)で席が作られています。ひかるさんと中国選手はじっとモニターを見つめます。結果中国選手を上回り、ひかるさんの55.860点1位が表示された瞬間ひかるさんは大きく飛び上がり喜びを爆発させました。


    
テレビ画面より

 その後ひかるさんは日の丸旗を背負い会場内で観客の皆さんと喜びを分かち合っていました。私も今度は大きな拍手で3つの大きな成果をたたえました。
 それは世界チャンピオンになり金メダルを獲得したこと。日本人初のチャンピオンであること。オリンピック出場権を獲得したことです。
 確実に夢に近づいていくひかるさんの姿に感動しました。多くの人をこんなにも感動させる力を身につけているひかるさんは本当にすごいと思います。
 試合が終了し観客席の皆さんへの挨拶に来られたひかるさんにおめでとうの声をかけることができて良かったです。また会場に来て挨拶をしたときにひかるさんの応援グッズをいただいたご両親にもおめでとうございますの声をかけることができて嬉しかったです。ひかるさんの夢を一家で応援している皆さんの喜びの姿は本当に素敵でした。



 ひかるさんはこれからも自分の夢に向かって進んでいくことでしょう。その歩みは確実なものとなってきました。来年のオリンピックに向かって持ち前の明るさを忘れず、試合前の集中力を高める姿を継続して、日々良い練習が出来ることを祈っています。これからもずっと応援していこうと思います。
(^_^)/


      
    世界選手権

 さあいよいよ競技が始まります。トランポリンの
競技種目は4つあります。トランポリンの個人とシンクロ、タンブリングとダブルミニトランポリンです。後半の2つは大会を見たこともないので興味がわきました。


 
審判席向こうにあるWミニトランポリン

 最初のダブルミニトランポリンは手前のトランポリンで第1演技、続けて2つ目のトランポリンで第2演技をしてマットに着地します。様々な回転やひねりを行うのですが、第1演技で失敗すると第2演技が出来なくなってしまうこともありました。日本ではまだ普及が進んでおらず、決勝には日本人選手は登場しませんでした。


 
長く敷かれたタンブリングバーン

 続いてタンブリングです。会場を横断する長いタンブリングバーンが用意され、選手はさらにその前の助走路から走り始めバーンの上でテンポ宙返りを続けながら2回宙返りや新月面宙返り、難度の高い3回宙返りなどを2~3回行い競技します。これも途中で失速すると演技が続けられなくなるリスクがありました。残念ながらこの競技にも日本人選手は登場しませんでした。

 いよいよ個人の部が始まります。私や友人、相模原市体操協会がずっと応援してきた森ひかるさんが登場します。選手の紹介はステージで行われ、スクリーンの横から一人ひとり登場しました。ひかるさんは笑顔で手を振りながら登場です。このような場面でも笑顔でいられる様子に頼もしさを感じました。
 さらにひかるさんは紹介の時に一歩前にでると忍者の姿勢を見せ、なんと手裏剣をなげる真似までしているではありませんか。応援している側も思わず笑顔になってしまい声援も盛り上がります。会場は笑顔と拍手の渦となりました。



 しかしステージを降りて競技の練習に入るとその表情は一変します。一番手の選手が演技を初めてもひかるさんはトランポリンに背を向け、壁に向かって立っています。イメージトレーニングをしているのでしょうか小刻みに身体を動かし最終のジャンプまでの身体の動きをチェックしています。それは自分の順番が来るまで同じでした。

 さあいよいよひかるさんの順番が来ました。これまでに演技を行った選手は半数が大きく中心を外し、点数が伸びません。トランポリンの難しさが伝わってきました。その中で日本の土井畑選手が好演技をして55.225のトップに立っています。ひかるさんは真剣な表情、予備ジャンプが始まりました。高い。ひかるさんのジャンプの高さは他の選手より頭ひとつ上に出ています。この高さでの演技は一歩間違えると大きな失敗にもつながります。
 
  
    
テレビ画面より
       

                      
   R1(2019).12

 有明体操競技場

 令和1年12月1日 私は初めて有明体操競技場に行きました。この日トランポリンの世界選手権大会が開催されるためです。木材をふんだんに使ったと聞いていた体操競技場は少し遠くからでも外装に木材が使用されているのが分かりました。この会場は東京オリンピックの体操競技、新体操、トランポリン、パラリンピックのボッチャの会場となります。残念ながら私はオリンピックのチケット抽選に外れてしまったため今回がその雰囲気を味わう機会となりました。


     
有明体操競技場

 会場に続くなだらかなスロープにもウッドチップが埋め込まれ、柔らかな感触が観客を迎える温かさを感じました。
 会場内に入るとたくさんの人が入っていて熱気を感じます。見上げると天井はカラマツの梁(はり)が屋根を支え、座席は杉の板が使われています。席番号も板が使われています。





 会場は明るいライトに照らされ手前にダブルミニトランポリン、その向こうにタンブリングバーン、そしてトランポリンが4台設置されていました。
 全体に青いマットが敷き詰められていて、藍(あい)のテーマで統一されているそうです。1万2千人の観客を収容できる会場ですが、私の席の正面上部は報道席、下部は関係者席のようでした。そのため観客の多くは私の側から応援します。



 しばらくすると会場は暗くなり、アトラクションでしょうか、バイオリンの演奏がバックのエレキギターやドラムの演奏と共に行われ会場の雰囲気を盛り上げていました。
 背後には大きな電光スクリーンがあり、映像にはバイオリニストや選手の映像も流れだんだん会場は気持ちが高まっていくのでした。