子供達によるアトラクションが終わりいよいよ競技開始です。「レディ」スピーカーから声が聞こえると間もなくパンという金属音、選手2名が飛び出します。ベラルーシと中国の選手なのですが会場の応援は盛り上がります。選手を引っ張るかのように拍手のウェーブが先行します。苦しそうな表情でゴール。掲示板を見つめます。手を上げて笑顔の選手、ため息をつく選手、二人の表情はそれぞれです。さあいよいよ日本選手の登場に会場は盛り上がります。楠瀬選手、三宮選手とも全力を尽くした素晴らしい滑りで会場を沸かし、それぞれ満足そうな表情でした。

 レースも終盤になりました。メインはやはり岡崎選手と同じ日本の島崎選手のレースです。会場は大騒ぎ!日の丸が振られチアホーンが吹き鳴らされ拍手・拍手。しかし出発前に会場は一瞬静かになります。「レディ」緊張が走ります。パンという音とともに大歓声がわき上がりました。二人は声援に押されるようにぐんぐん滑っていきます。最終コーナーでは「ころぶな!」祈るような気持ちです。ゴール!会場内はすごい歓声のウェーブです。掲示板には1位OKAZAKI JAPが点灯して拍手・拍手!岡崎選手は帽子を取り両手を挙げて喜びを表します。島崎選手は残念そうな表情。しかし会場の拍手は島崎選手にも惜しみなく送られています。

   

 次のレースが始まろうとしているのに会場の拍手は鳴り止みません。岡崎選手は指を口に当てて「シー」の合図。やっとおさまりました。その後最終組カナダの選手が1,2位を取ったため岡崎選手は銅メダルになりましたが、明るい岡崎選手は競技終了後に会場を歩いてまわりながらバンザイを観客の皆さんと一緒にしていました。ふと見るとその30m程後ろを島崎選手が小さく手を振りながら歩いていました。私はもちろん島崎選手にも大きな拍手を送りました。おめでとう。

 実はもう一つ白馬の会場でスーパー大回転を見る予定だったのですが、濃い霧のため中止となってしまいました。雪の上で2時間近く競技が開始されるのを待っていたのですが残念です。しかし隣で開催されていたジャンプ競技では船木選手の金メダル、原田選手の銅メダル獲得をラジオの実況が知らせてくれ、雪の上でみんなでバンザイをして喜び合いました。

  

 2020年7月、日本には再びオリンピックの感動がやって来るのですね。
 本当に楽しみです。



          
                        
   H30(2018).9



 2013年(平成25年)9月7日アルゼンチンのブエノスアイレスで開催されたIOC総会において2020年東京オリンピック開催が決定しました。テレビには総会でのプレゼンテーションを行った選手達や関係者が大喜びしている姿が映し出されました。
 日本で行われるオリンピックはこの大会を含めると4回目となります。1964年の東京、1972年札幌、1998年長野、夏季大会が2回、冬季大会が2回となり世界でアメリカ・フランスについで3番目に開催の多い国となります。世界の頂点を目指す選手達の競技を間近で見られることは本当に幸せなことで、次代を担う子供達にとっても素晴らしい場であると思います。

 私は1998年(平成10年)2月、長野オリンピックを見られる機会を得て家族で長野のスピードスケート会場に行きました。バスが長野市内に入ると各交差点には必ずおまわりさんが立っていました。雨の中を大変だなあと感謝しつつ駐車場からスピードスケートの会場であるエムウェーブに向かって歩いて行きました。「あっ本当にMの波だ」横から見ると屋根がM型になっている建物それがエムウェーブなのでした。



 列を作り携帯品のチェックを受けていよいよ中に入ります。会場はため息が出るほどきれいでした。特にリンクの氷がピカピカ輝き、いろいろなライトが明るく照らしています。電光掲示板にはオリンピックマークが一段と明るく輝いて見えます。試合開始まで2時間半もありますが、すでに何人もの選手がものすごいスピードでコーナーを滑っています。「あっ岡崎選手だ!もう練習しているんだ」思わず声に出てしまいます。こんなに練習して大丈夫かなと心配するほどよく滑っていました。

 私の見学していた席は最初のコーナーのところだったのですが、選手がコーナーを滑っていく時に不思議な音がしました。カチッ!カチッ!という音です。これはテレビで説明を見ましたがスラップスケートという靴でかかとの部分が蹴ったときに離れるのです。それがバネで戻るときにカチッという音をたてるのでした。良い記録が出るためにこの長野オリンピックではほとんどの選手がスラップスケートの靴を履いて競技をしたそうです。