愛情を受け安心すると子供は自立していくように思います。自分の力で何かを始め不安に思う時があっても、そこに戻れば安心できると分かっていれば気持が落ち着きます。またチャレンジしようとするエネルギーも出てくるように思います。
親の立場からすると、そうは言っても自分の子供がみんなと同じようにできないと不安になってしまうこともあります。親も不安を持つことがあるわけですからその親を支える身近な人の存在も大切ですね。自分の子供に不安がある時は自分のコミュニケーションを広くしていくことも必要なのだと思います。でも大人も子供もみんな一人ひとり違うのですから自分やその子のペースを大事にしたいですね。
私の所属している体操協会では3月に小学生向けの体操体験教室を行っています。その教室の際に新1年生の中には会場の雰囲気に圧倒されて泣きだしてみんなと一緒に体操ができなくなる子がいます。そんな時私達は保護者の方に一緒に居てあげて下さいとお願いします。するとしがみついていた子供はいつしか親から離れ友達と一緒にトランポリンなどをやるようになります。仕方がないなあと待つことができれば、子供は自分で動き始めることがほとんどです。親の気持ちが大切なのですね。

中学生ぐらいになると心配をして注意が多くなりがちですが、子供に反発されてしまうこともあります。そんな時私は「タッチ&ゴー」を推奨しています。注意をしたり、ほめたりする時に使います。「勉強うまくいってる?」「昨日はちょっとまずかったね」一言言っては子供から離れます。返事は求めません。ほめる時も「なかなかやるね」「昨日はありがとう」と言ったら離れます。すれ違う一瞬だけことばを掛けるのです。
ただし子供が話そうとした時や叱る時にはじっくり腰を落ち着けて話します。子供とのコミニュケーションの方法が広がると思います。
H23(2011).5
小さな公園で
天気の良い風が爽やかな休日でした。私は娘と息子を連れて公園に遊びに行きました。二人はジャングルジムのような器具で遊び始めました。私はベンチに腰をおろして二人の遊ぶのを眺めていました。公園にはたくさんの子供達が遊んでいます。砂場では小さい子供達がプラスチックのスコップで小さな山を作ったり穴を掘ったりしています。

ふと砂場の反対側のベンチで座っているお母さんにしがみついている子供が見えました。お母さんは子供を砂場に行かせようと背中を押すのですが、子供はすぐに向きを変えてお母さんにしがみついてしまいます。お母さんは困った顔で子供に話をしていますが、顔を横に振ってお母さんのことばを聞こうとしません。しばらくするとお母さんもあきらめたのか、子供を抱いてゆったりと過ごし始めました。子供の顔を見ていると安心しているのが分かります。
しばらくすると子供はゆっくり周りを見回し始めました。そして母親の膝から地面に降りたのですが服はしっかり握ったままでした。お母さんも何も言いません。また少しすると子供は手を離して地面にある石ころで遊び始めました。でもすぐに母親につかまろうとします。そんなことを何度か繰り返していると子供は少しお母さんから離れました。そしてあわてて戻ります。また離れます。そこにお母さんが居ることを確認し安心すると離れていくようでした。子供はとうとう砂場の砂に手を触れるところまで行くことができました。
