ちなみにこの相模原市の18年度火災件数は241件でそのうちの71件約30%は放火か放火と思われる火災だそうです。その他、コンロ14%、火遊び9%が原因と続くことを考えるといかに放火の数が多いか分かると思います。月別の発生件数では1月と3月が最も多く、11月頃から増えるそうです。
感謝状をいただいて
その後しばらくして淵野辺の消防署で火災の時の様子を事情聴取されました。実はその時も放火とみられる火災が発生し、署員の皆さんは出動中で人がとても少なかったです。そういえば2月の火災の時に後から駆けつけた上溝の消防署の人達のことが思い浮かびます。駆けつけるなり「ただいま到着しました」と隊長に報告をすると隊長は「現場は鎮火した。すぐ署に戻れ」と言ったのです。ご苦労の一言も無く命令を下すと、文句も言わず次から次へと行動していく姿に感動したものでした。
4月22日に相模原消防本部に呼ばれました。少し緊張して署に入ると、とてもにこやかな出迎えを受けほっとしたものです。その後署長室に通され、消防長から大きな感謝状をいただきました。

式の終了後、少しお話しをする中で放火が多く大変である事、初期消火が大切であり中学生にもぜひ意識を高めて欲しいとのお話しをいただきました。私も上溝の消防隊の話をして大変な仕事に取り組む皆さんに敬意を表しました。
家に帰りあらためて感謝状を見ていると、この感謝状は偶然の出会いと消火のやり方などの知識が無ければもらえるものではないんだなと思いました。日頃の訓練や経験があれば緊急時に生きるのですね。中学生のみんなも防災訓練などの折にはぜひ積極的に参加して欲しいと思いました。

H19(2007).11

平成14年(2002年)2月21日夕方に私は家庭訪問に向かっていました。もうすぐその家に着く最後の曲がり角を右折して車を入れていくと、何やら大きな炎が見えました。そして近づくにつれ火は止めてある自動車のあたりから出ていることが分かりました。
「これってもしかしたら火事?」車を近くに止めると近所の女の人が居られたので「火事ですか?」と聞いたところ「そうです」と答えられたので内心はとてもどきどきしました。一人では無理かも知れないと思い、近所の人達に応援を頼むため「火事でーす」と大きな声で呼びかけました。しかし皆さんも慣れていないことなのですぐには人が集まらず、これは自分でやるしかないと判断し、消火器や水をさがしましたが急なことで見つかりません。背広の上着で消すか。そう思った時、女の人が「消火器がアパートの壁にあります」と教えてくれました。急いで取りに行きいよいよ火に向かいました。以前消火訓練に参加した時に「火に近づいてから」ということを聞いていたので、安全ピンを抜いてから近づきました。車のタイヤやトランク部分、そして周囲の地面も燃えていました。
発射! ものすごい消火剤の煙で一瞬周囲が見えなくなりました。煙がおさまると再び火が燃え上がり、一本ではどうにもなりませんでした。幸い他にも消火器がありましたので5本使用してやっと消火できました。(ハア~)

その頃になると近所の人達や近くに出動していた消防署の方が駆けつけて騒然となっていました。
その日は近くで別の火災があり出動していたそうで、この日は夜に至るまで4,5件の放火による火災があったとのことでした。後で消防の方が車を点検するとトランク、タイヤ、ガソリンタンクのふたが燃えていたということで爆発する危険もあったとのことでした。その時は夢中でやっていたのですが落ち着いてから聞くと気分の良いものではありませんでした。
