最終日は宇奈月からトロッコ電車で渓谷に沿って山の奥へ入って行く旅でした。これもとても楽しかったのですが、途中からふと気がついたことがあります。黒部川、石小屋ダム、欅平そして奥鐘山。ここは・・・・。


  急に楽しかった気持が沈み、思い出がよみがえりました。大学時代の山岳部の友人は日本一のクライマーを目指してこの地に入り奥鐘山の600mの岸壁に挑戦しようとしていたのです。彼はすでに谷川岳等でも成果を上げ、日本の代表的なクライマーの弟子として活躍を始めた実力の持ち主でした。しかし彼はこの日夜間に起きた巨大なブロック雪崩に遭い遭難死したのです。遺体は見つからず少しの遺品が発見されました。だから彼は今もここに居ると思うと胸が痛みました。

 彼の死や遭難の様子は聞いていたのに・・・教員となり授業や部活等に追われる毎日が矢のように過ぎてしまい、過去を振り返るゆとりも持てなかった自分が情けなく感じました。本当に薄情なやつだなあと思わず自分を責めてしまうのでした。終点の欅平で山に向かって手を合わせて少し気持が落ち着きました。楽しい夏休みにふさわしくない話で申し訳ありませんでしたが私のこんな夏休みでした。



      



                        
   H17(2005).8

  いつかある日

 黒部立山はいつか行きたいと思っていた場所でした。いつ頃かというと27年前のことです。でもその後就職して忙しさにまぎれて行きたいということも忘れていたのです。
 
 今年の夏は黒部立山アルペンルートを行こうと計画しました。2泊3日の予定でバス、ロープウェイ、ケーブル、トロリーバスを乗り換えて途中黒部第4ダムを見学しして日本アルプスを越えていくルートです。

  
 
 あいにくの天気で一番見晴らしのいい場所は視界20m程で霧の中でした。黒4ダムは放流も行われていて豪快な水の流れに感動しました。このダムを造る大変さは映画「黒部の太陽」で知っていたのでなおさら感じたようです。天気の悪さは残念だったのですが山が好きなので本当に良い行程でした。本当は歩ければ良かったのですが、また来ようと思いながら後を振り返るのでした。