翌日は朝より一日班行動の日でした。朝旅館を出る時にお菓子を持って行こうとしたり必要のないものを持って行こうとして注意され出発が少し遅れてしまいました。でも自分達で立てた計画ということもあり張り切って出発しました。どんな経験をしてくることやら・・。
こんな感想がありました。
◎大徳寺でお茶を飲みました。おじさんがいろいろ話してくれて楽しかった。お作法も教えてもらいました。足がしびれて大変でした。
◎一人が走っていて思いっきり転んでズボンのひざが破けそうになっていた。
◎忘れ物をしてみんなで待っていたら遅くなってしまい平安神宮が見られなくなってしまった。
◎舞妓さんや芸子さんがたくさんいて女の人はみんな着物を着ているのかと思ったらそうではなかった。

◎昼食の時おそば屋さんに入ったが、そこで働いている人がすごく親切でうれしかった。楽しい1日でした。
良い思い出ができましたね。
最終日はみんなで金閣寺、清水寺を見てお土産をいっぱい買って京都駅に向かいました。帰りの新幹線では元気な人もいたけど爆睡してる人もいたね。私も爆睡組でした。(^_^;)
今だから話せる内緒ばなし・・
◎K君が寝ている僕を起こしていやらしい話をおっぱじめて、おかげであまり眠れなかった。
◎班行動に行く時お菓子をどうやって持って行くか考えていたけど、結局持って行けなかった。だけど余分に持ってきた千円札をティッシュの中にまぜて持って行った。
あんなに学習した歴史より旅館や班行動で一緒に過ごした仲間との思い出の方がずっと心に残るのですね。修学旅行楽しかったな。

旅館の中のたたかい
旅館の中では私は男子を中心に見ていましたが3回のたたかいがありました。第1回目はスキヤキのたたかいです。他の先生が修学旅行に行く前にみんなに話をしてくれた肉の争奪戦の話が、まさに歴史は繰り返すといわれるように勃発しました。焼ける前に人に取られないように素早く口に運んでしまうため、生肉を食べている子もいました。なんとか胃は大丈夫のようでしたが。
第2回目はお風呂のたたかいです。風呂の中は大騒ぎです。お湯や水が飛び交い風呂場の声の反響は大変なものでした。上がってくる子供達は大汗です。何のために風呂に入ったのか分からなくなりました。
第3回目のたたかいは定番の枕投げでした。修学旅行ではやはりこれがなくてはと思いますが、我がクラスは大変です。部屋に入るとみんな枕を手にすごい汗を搔いています。目はランランに輝き、息はハアハアすごい息づかいです。部屋の中が壊れていないか心配でした。なんと電気を消して真っ暗な中でたたかったそうです。無差別攻撃は私の方にも来そうな気配でしたのでたたかいの終了を宣言して就寝準備にはいりました。

しかしやはりこれも定番の遅くまでおしゃべりやお菓子を食べるなどが続きます。12時を過ぎた頃これ以上は翌日に影響するため、寝ない子は部屋の前で正座をさせ落ち着かせるという強硬手段で就寝させました。私も自分が修学旅行に来た時に旅館で正座させられたことがありました。歴史は繰り返すですね。
先生方は心配して2時頃まで見回りをしていました。実は女子も負けずに賑やかだったそうです。さすがに生肉はなかったようですが、お風呂や部屋での様子は男子と同じだったようです。女子は特に夜のお菓子が多かったようで体に悪いよと後で話しました。

駅は修学旅行生で大混雑です。すごいなあ。みんなはきょろきょろしながら歩いていました。しかし集合の声にきちんと整列ができ、みんなのしっかりした態度が印象的でした。近鉄電車の中は大騒ぎ。でも貸切ですから気になりません。中には朝が早かったせいか席に座り寝ている人もいました。宇治川を渡り高野原駅へ。いよいよ奈良に入りました。
鹿せんべいと大仏
バスに乗り、初めに着いた場所は興福寺でした。宝物館に入る前に周辺で散策しました。そこには奈良公園の有名な鹿がたくさんいました。みんなはせんべいを買って鹿にあげるのですが、足元には鹿の糞がありおっとっととよけながらあげていました。鹿はおじぎをしてもっとちょうだいとくっついてくるのです。中にはポケットに鼻を寄せてくる鹿もいてみんな楽しそうに遊んでいました。
近くには大きな五重塔がそびえ立ち、奈良に来たなと感じられました。集合してさあ行こうとするとせんべい売りのおばさんがトイレに行くとかで店番を頼まれてしまった女の子が困っていました。思わず笑ってしまいました。

宝物館は有名な仏像がたくさんあります。みんなその迫力に驚いて真剣に見ていました。もっと興味がなくさっと行ってしまうのではないかと思っていたので意外な気がしました。阿修羅像は思ったより小さいけど顔がきれいだったと子供達の感想でした。
いよいよ大仏です。遠くで見ているとそんなに大きく感じなかった東大寺が近づいてみるとその大きさに圧倒されます。正面から見た時のみんなの口を開けた顔とため息が少しおかしかったです。ちょうど他の団体のガイドさんが話をされていたのでみんなも一緒に聞いて歩きました。
中に入ると大仏の大きさは一層大きく感じられます。柱に空いた穴は大仏の鼻の穴と同じ大きさだそうです。一人が代表してそこをくぐりました。頭が良くなるそうです。本当に楽しそうでした。その後、二月堂から奈良の景色が一望でき、とても印象深い奈良の一日でした。見学後のジュースの美味しかったこと。

H1(1989).6
修学旅行の思い出
平成元年(1989年)、平成になって初めての修学旅行です。6ヶ月という2年生からの長い取り組みでした。修学旅行だよりも42号を数え、資料も豊富に使用されました。学校の廊下には京都・奈良の写真や地図が張り出され、子供達の話題も3年生になると班行動でどこへ行くか、何を見たいかというものが多くなりました。
しおりができ、レクの本ができ2日前には準備がほぼ完了して当日を待ちました。でも天気予報は良いことを言ってくれません。やっぱりだめか。教員の間でも傘をさして出発の集いも仕方がないかという声が多かったのですが。
当日になると晴れ。予想外のことにほっとするやら嬉しいやら、集合場所の公園に行ってみるとずいぶん早くから来ている生徒もいました。きっと嬉しかったのですね。その後生徒は続々集合します。楽しそうな話し声でいっぱいでした。出発の集いも終わりいよいよ横浜線への乗車です。
相模原ではすんなり乗ることができましたが、途中より混んできて車内のあちこちで悲鳴が上がっていました。でもみんな礼儀正しかったね。私はふと集合に遅れてきた彼はちゃんと乗っているか心配になりましたが仲間と一緒で大丈夫のようでした。

新横浜駅では新幹線への乗車です。停車時間が短いのでみんなカバンを前に抱えて奥に座る順にどんどん入り込みました。みんな協力して素早く乗車が終了しました。素早いといえば座席に座ったとたんトランプやウノを取り出して始めることの素早いこと、驚きました。学校の授業もこのくらい早くしろよな!
新幹線も京都に近づいてくるとみんなの遊びもやや疲れが見えてきました。こだま号は停車駅が多くて速いと言っても乗車時間が3時間もあります。長いですね。いよいよ京都に到着です。車内から京都タワーが見え、五重塔やお寺の大きな屋根が見えてくるとみんなは窓の外をじっと見つめていました。この日は奈良へ向かうので下車後、近鉄電車まで列を作って歩きます。