学校ではクラブ活動の時間になるとお囃子クラブが活動し、校内にお祭りの囃子が流れてとてもにぎやかなのです。何より体育祭が近くなると実行委員長の職は取り合いになります。みんな腕まくりをして自分にやらせろと男の子も女の子も燃え上がるのです。祭りは自分が仕切るという気持ちがあふれ出ているのでした。
 そんな子供達は上溝のお祭りが近くなると部活動を休んで地区のお囃子などの練習に行きます。夕暮れの町には練習で聞こえてくるお囃子の音色が祭りが近いことを知らせ雰囲気を盛り上げてくれるのでした。
 私たち教員はお祭りの時には町に出て子供達が安全に楽しめるように見ています。私たちを見つけた子供がわたあめを食べながら寄ってきて「先生おごって!」とねだる風景も毎年のことでした。でも9時を過ぎると祭りの風景も変わってきます。大人や生きのいいお兄さんやお姉さん達が集まってくるのです。
 その中には在学中に手を焼いた卒業生もいるのですが、彼らは懐かしそうな顔で私たちに声をかけてくれます。こんな仲間のような気持ちにさせてくれるのも祭りのおかげかもしれません。



 宵宮(よいみや)になりました。祭りのフィナーレです。昼間各地区を廻っていた神輿や山車が本町の通りにすべて集まってきました。山車の上にははちまきをきりりと締めた子供達がお囃子を演奏しています。ひょっとこ、きつね、おかめ、獅子舞(ししまい)が演じられその山車を小さな子供達がうらやましそうに見ながら引いていきます。
 神輿は角々で神輿もみをして飾りが大きな音を立てて振られています。暑い夏の風景が今年も繰り広げられています。私はこの風景がいつまでも引き継がれていくといいなと思いながら子供達を応援するのでした。







           
                        
   H30.9

祭りに燃える子供達

 セヤッ!セヤッ!通りは人であふれる中を威勢(いせい)のいいかけ声とともに神輿(みこし)が練(ね)り歩きます。そしてお囃子(はやし)の音とともに山車(だし)が引かれてその上では太鼓をたたいている生徒の顔が見えます。真剣な顔で前を見すえてたたいています。その横では横笛を吹く卒業生がリズムをとりながら慣れた手つきで調子をとります。
 奥からひょっとこが現れました。ひょうきんな手つき腰つきで観客を沸かせています。普段はちょっとやんちゃな子供ですが、ひょっとこをやらせると彼の右に出るものはありません。上溝の子供達はこのお祭りがエネルギーの源(みなもと)です。
 

 平成9年(1997)7月相模原市上溝の夏祭りが今年も賑やかに開催されました。私のつとめる中学校の学区でもある上溝の夏祭りは毎年相模原以外からも多くの人が見学に訪れます。夜店の数も多くT字路になった通りの両側にびっしりと並んでいます。種類も多く夜店での買い物が生徒達の楽しみとなっています。

 上溝の祭りは近くにある亀ケ池八幡宮の末社である八坂神社の御祭神(ごさいしん)でお天王さまと呼ばれる「須佐之男命(すさのうのみこと)」をお神輿にまつり疫病(えきびょう)よけや安全を祈願しました。江戸時代から続く歴史が有り上溝の町内を20基もの神輿や8基もの山車が練り歩きます。