ノルウェー政府はこれを「種子の箱舟計画」として世界に呼びかけ、100カ国以上の支援を受けて実現しました。日本も2014年2月、オオムギ種子575系統(各300粒)を貯蔵しました。そして2019年2月、開設から10年を迎えこれまでに持ち込まれた種子が100万種を越えたと発表されました。この貯蔵庫の運営は独立国際機関「グローバル作物多様性トラスト」が行っているそうです。



 このスピッツベルゲン島には他に世界各国の貴重なデータを500年以上保存することを目的とする保管庫がオープンしたそうです。”世界最後の日に備えた書庫”としてだそうです。

 これらの施設が必要とされない世界がずっと続くといいですね。











      
          
2019(R1).6  NO.8

   ノアの箱舟

 スピッツベルゲン島には地球上の種子を冷凍保存する世界最大の施設、スヴァールバル世界種子貯蔵庫があります。



 小麦の研究に生涯をささげ、遺伝子銀行家とも言われたデンマーク人科学者のベント・スコウマンが提唱し、ウインドウズの開発で知られるマイクロソフト社を作ったビル・ゲイツが主導してロングイヤービェン近郊の丘に作られました。

 今後大規模な気候変動や自然災害、病気の蔓延、あってはならない核戦争等に備えて農作物の絶滅を防ぐとともに、もし絶滅してしまった場合は復活させる種子を残すことを目的としています。



 最大300万種の種子を保存可能とする地下貯蔵庫は、その温度をマイナス18~20度に保ち、万が一冷却装置が故障したとしても永久凍土層によってマイナス4度を維持できる環境にあります。
 また地球温暖化が進んで海水面の上昇が起こった場合にも影響が無いように海抜130mの丘の地下にあります。