
サーミ人とヨイク
サーミ人とはスウェーデン、フィンランド、ノルウェー、ロシアの北部に居住する先住民族のことだそうです。この地域をラップランドと呼ぶことは知っていましたが、この言葉は辺境(へんきょう)という意味で軽蔑(けいべつ)した言葉とされていることを知りました。そのため彼等自身はサーミと呼んでいるそうです。多くの国に渡っているのは彼等が国境の無い時代にトナカイなどの遊牧をして移動生活をしていたからだそうです。後から国境ができてサーミ人は分かれてしまいました。
先住民というといつも迫害された話を聞くのですが、ここも同様でヨーロッパ王国やロシア王国により分断されたサーミ人は強制的にその国に同化させられ、自分達の文化を奪われていったのだといいます。近年チェルノブイリ原発事故の時には周辺が汚染されトナカイ放牧に携わるサーミ人は大きな打撃を受けて生活が大変苦しくなったということもありました。最近ではサーミ人へのアイデンティティ(帰属意識)や権利の復活を目指したサーミ民族特別会議も持たれるようになり、その象徴としての旗もあります。

CDの曲を聴いてみると「Yoik(ヨイク)」というコミュニケーションを取る時に使われた伴奏の無い抑揚(よくよう)をつけた声による音楽が多く入っていました。その哀愁のある響きはどこか聞いたことがある懐かしい響きでした。
その後の日程の中ではオーロラはとうとう出ませんでした。ついてないなあ。またいつかすごいオーロラを見に行こうと心に決める私でした。

2011(H23).12
NO.2 スェーデン キルナ
今度こそオーロラ!
平成24年12月30日夜6時、私はフィンランドのキッティラ空港へ着きました。その後バスでスウェーデンのキルナという町に入りました。今度こそオーロラのすごいのを見るぞ!という意気込みで胸がワクワクしています。ホテルのキャビンに入り簡単な夕食をとって1日目の観測に外に出ました。
そのとたん オーロラだ!

なんと空にはオーロラがはっきり見えているではありませんか。浮かび出て姿を変えては消える。妖精のように気ままに動くオーロラに感動しました。観測場所まで急ぎ足で移動し、カメラをセットしているとオーロラは少し薄くなったようです。期待した空一面のオーロラは出ていません。何枚か写真は撮れたのですが、もっと大きな明るいオーロラを期待していたので少し残念です。この日は期待して待っていたのですが天気は悪くなってきてしまいました。うーん残念。

翌日の昼、町中に出て買い物などしました。大晦日ということで店はみんな12時頃閉まってしまいます。少し急いでの買い物でした。私は行った場所の地元音楽CDを買うことが楽しみの一つです。ここでもスウェーデン・キルナの音楽ということでお店の人に聞いたところ、サーミ人の音楽を勧められました。サーミ人?初めて聞く名前に興味を持ちました。
