第六問(抵当権)

【問 6】抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 賃借地上の建物が抵当権の目的となっているときは、一定の場合を除き、敷地の賃借権にも抵当権の効力が及ぶ。

2 抵当不動産の被担保債権の主債務者は、抵当権消滅請求をすることはできないが、その債務について連帯保証をした者は、抵当権消滅請求をすることができる。

3 抵当不動産を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその代価を抵当権者に弁済したときは、抵当権はその第三者のために消滅する。

4 土地に抵当権が設定された後に抵当地に建物が築造されたときは、一定の場合を除き、抵当権者は土地とともに建物を競売することができるが、その優先権は土地の代価についてのみ行使することができる。

 

【正解】  2

1(○)抵当権はその目的である不動産に付加して一体となっている物に及ぶ(民法370条1項)より、賃借地上の建物が抵当権の目的となっているときは、敷地の賃借権にも抵当権の効力が及ぶ。そうしないと、建物のみ競落しても意味はないからである。

2(×)主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない(民法380条)。よって連帯保証人は抵当権消滅請求をすることができない。

3(○)抵当不動産について所有権又は地上権を買受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する(民法378条)。

4(○)抵当権設定当時に建物が建っていなかった場合、後に建物を建てても法定地上権は成立しない。よって、抵当権者は土地とともに建物を競売することができる。ただし、この場合の優先権は土地の代価に対してのみである。

 

 

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2016年03月22日