いま必要な家具をむかしながらの指物でつくる

woodwork NAGAOの仕事/パンこねテーブル
w600 h750 d500 ●材:栓、タモ ●仕上げ:蜜蝋ワックス ●12万円

手づくりパンを趣味にされている奥様からのご注文品です。
ただ単に頑丈なテーブルを作るだけならそれほどむずかしくはありません。この奥様の場合は「折りたたんで収納できること。そのときの全体の厚みを8cmくらいにしてほしい」ということでした。
この課題に取り組んだのがわが工房の女性二人、田村さんと千葉さんでした。アドバイザーとして卒業生の平山君がつきました。

いろんなアイデアが出ては消え、結局残ったのがこれでした。脚を二本ずつ四角に組んでそれを交差させて折りたためるようにしたものです。
天板の裏面には「吸付き蟻桟」が入りそれに脚の二枚ホゾが入る仕組み。天板が取り外せるようにちょっとゆるめに作ります。
しかし、天板上でパンをこねるものですから強度・安定性がなければ使い物になりません。そのためには各部材が正確に削り上げられ、 直角もビシッと出ている必要があります。日曜大工程度の精度ではお客さんには出せません。担当の二人はスコヤ(直角定規)とノギスを片手に慎重に加工を進め、 5ヵ月後にようやく完成。気長にお待ちくださったお客さまに塾長として頭の下がる思いでした。

※本作は、田村(卒業生)、千葉(在塾生)の製作です。