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変形性脊椎症

 「むちうち症」にかかって長期間治療しているが、なかなか治らないという患者様の中には、もともと頚部(頚椎)に異常を持っている人が多く、その代表的な例が「変形性脊椎症」です。変形性脊椎症は40歳ころより生じてくる椎間板の退行変性です。

 外傷をうける以前から何らかの病状を呈している場合には「私病」としての処理が容易ですが、厄介なことに外傷以前には無病状で、外傷を契機として病状を表してくる場合が多くなります。しかも、「むちうち症」には、頚椎捻挫から最も重い脊髄病まですべての頚椎の病態が含まれているため、患者の病態が外傷によるものか、もともとの変形性脊椎症によるものかの見分けが難しい問題点が生じます。このような医学的困難さとともに、受傷以前に無病状であった場合には患者様はすべてを事故によるものと確信しがちです。  もともとこのような疾患を持っている場合には、治療までの期間が確実に延長します。そのため、査定は「頚椎捻挫」の治療期間をおおむね3ヶ月とみて、それ以後の病状の残存は「変形性脊椎症」による影響とみていきます。この判断は、医師によるものが多いので、十分留意しておく必要があります。

 

退行性変性による変形性脊椎症

 人間の体の各組織は成人以後年齢とともに徐々に退行変性を起こしていきます。変形性脊椎症は錐体と錐体の間にあってクッションの役割をはたしている椎間板の退行変性によるものです。中年以後は、退行変性の結果、椎間板に含まれる水分が減少し、椎間板はその厚みが減少していきます。レントゲン写真で椎間板の狭小化がみられるのはこのためです。  このような退行変性は、いわば人間の生理的な現象で50歳以上の人の50%にみられますので、この年齢の人が事故でムチウチになった場合、後遺障害の認定が格段と難しくなるのはこのためです。  

 

 

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