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鞭打ち損傷によって発生する障害

そもそも、「むちうち」という呼び名は診断名でなく、損傷の起こり方を示しています。 なので、一言で「鞭打ち症」という診断で片付けてはいけません。鞭打ち症は主に4つの診断に分けることができます。

(下に行けば行くほど重症) 診断名
頚椎捻挫型

「頚椎捻挫」←鞭打ち症と呼ばれる約75%はこれ

根症状型

「頚椎神経根症」

交換神経症

「バレー・ルー症候群」

脊髄損傷型

「頚部脊髄症」又は「脊髄損傷」

 

 

頸椎捻挫

 この中には「頚椎捻転」と狭義の「頚椎捻挫」が含まれ、普通はこの2つをあわせて広義の「頚椎捻挫」といいます。

@「頚椎捻転」はもっとも軽い損傷です。私たちが手首を軽くひねったときに、2〜3日軽い痛みを覚えることがあります。これは、筋肉と靭帯などの南部組織が一時的に引き伸ばされただけで、次の瞬間には元の状態にもどり、部分断裂などの器質的な損傷は生じなかったものをいいます。頚部の場合でも同様で、この場合、後に後遺障害となることは少ないです。

A「頚椎捻挫」は、数週間にわたって病状が継続するために、治療や賠償のトラブル、後遺障害の対象となる場合があります。「頚椎捻転」が軟部組織の一時的な引き伸ばしであるのに対して、頚椎捻挫は筋肉や靭帯あるいは他の組織に部分的な断裂を起こします。    

 

頚椎捻挫の病状

損傷された軟部組織には出血が起こり、次いで浮腫(むくみ)が生じます。また、筋肉は反射的なけいれんを起こし、これらが重なり合って頚部の神経を刺激し、広い範囲に痛みやコリを生じさせます。

主な症状はこちら

・後頭部を中心とする頭痛頭重感

・棘突起(きょくとっき)の圧痛

・傍脊柱部のこりと痛み

・肩甲(けんこう)上部のコリと痛み

・肩甲骨内部のコリと痛み

 

 

頚椎神経根症

 頚椎神経は脊髄から頚椎の神経孔を通って肩と上肢(腕)全体の運動と知覚を支配しています。脊髄から頚椎の椎間孔の出口までの部分を「神経根」と呼び、鞭打ちによる脊椎の過度の動きで引き伸ばされたり、狭い神経孔内の出血や浮腫によって引き起こされる神経根の障害を「神経根症」と呼びます。    

 

頚椎神経根症の病状

頚椎捻挫に生ずる病状(頸・背部の凝りや痛み・頚部の運動制限)に加えて、肩・腕・手先などに放散する疼痛。せき、くしゃみ、頸をある一定方向に動かしたときの放散痛が生じます。

・障害された神経根の支配領域と一致する痺れ感と知覚鈍麻、知覚過敏

・握力の低下等

・腱反射の異常    

 

神経根症の診断

先ほど示した異常にあわせて、スパーリングテスト、ジャクソンテストなどを行います。

 

バレー・ルー症候群

頸髄には自律神経のうち交感神経があり、頚椎に沿って交感神経節と連絡しています。

頚部の交感神経は頚椎の中を走る椎骨動脈や頚動脈に線維を送って血流の調節に参加したり、眼や心臓の機能にも関係しています。

頚部・頚椎の外傷はしばしばこの交感神経の働きを狂わせ、眼や耳、心臓、咽喉頭部の病状を表します。    

 

バレー・ルー症候群の病状

頚椎捻挫にみられる病状のほかに、頚部交感神経の異常によって次のような病状があらわれます。

・内耳の病状(めまい、耳鳴り、難聴)

・眼の病状(眼がかすむ、眼の疲れ、視力低下)

・心臓の病状(心臓部の痛み、息苦しさ)

・咽頭後部の病状(のどの異状感、かすれ声、食べ物がうまくのどをとおらない)

 

脊髄症 

脊髄症は骨折や脱臼によって生ずることが多く、一般的には脊髄損傷と呼ばれます。

完全麻痺を呈する者から不全麻痺まで程度はさまざまです。いずれも神経根症と異なり、脊髄そのものが損傷されるため、上肢および下肢の病状と膀胱と直腸の障害をきたす頚椎の損傷のなかではもっとも重度なものです。

 

脊髄症の病状

・上肢の麻痺のほかに下肢にも麻痺があります

・損傷された脊髄レベル以下の知覚障害またはごく軽症の場合には「手袋」「足袋」型の知覚障害

・上肢と下肢の腱反射異常

・膀胱・直腸障害  

                        

 

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